ゴルフ理論(考え方編)
タイトルは、今日お話しする内容ではなく、数学者の藤原正彦氏が書かれた「国家の品格」
という本の内容が面白く、また、現在の日本のゴルフ界にも通じていると感じたので、今回のタイトルにさせていただきました。
もうすでにこの本を読まれた人はみえると思いますが、書かれていることの1つに、「論理」だけで説明することには限界がある、何故人を殺してはいけないのか、「論理」だけでは説明できない、すなわち、物事には、理由があってやってはいけないことと、理由なんかないけど、やってはいけないことがある、つまり人を殺すことは、「やってはいけないこと」ただそれだけなのだ、ということです。
ホントその通りです。
今のゴルフ事情を見ても、やたらと「論理」的な説明が多すぎるような気がします。
今から25年以上も前に、写真にあるようなスポーツ科学の本を読み出し、今までコソコソとやってきましたが、勉強の初めのころは、本当に「論理」的でした。
ただいつも私が注意していたのは、一流選手の言動です。
長く一流の座にいた選手の言動には、多くのヒントが隠されていて、物事の本質をつかむためには、本で得る知識とは比べものにならないものがあります。
ボールは論理的に打てるのか?
一流選手の言葉の中でよくみられるものの1つに、「感触」「感覚」があります。
「論理的」な言葉でなく、「感覚的」な言葉をよく口にします。
お客さんとスウィング論を話していると、インパクトの瞬間に「手を返す」とか「右手を伸ばす」、または「クラブヘッドをストレートに出す」、そうやってボールをコントロールしている、と話す人がいます。
インパクトの瞬間に、何かをすることは現実的に不可能なのですが、それをわかってもらうために、次のような実験をしてもらいます。
実際にボールを打ってもらいながら、クラブがトップオブスウィングの位置に来たら、大きな声で「トップ」と言い、そしてインパクトの瞬間に「ヒット」と大きな声で言ってもらいます。
「トップ」は、だいたいトップオブスウィングの辺りで言えますが、「ヒット」はフィニッシュの辺りでしか言えません。
神経の伝達にも、ある程度の時間がかかるし、私たちが思っているよりも、クラブヘッドのスピードは速いのです。
この実験はすぐ出来るので、皆さんも一度試してみてください。
ボールは、「論理的」に打つのではなく、「感覚的」に打った方がうまくいくと思いますが。