ゴルフ理論(考え方編)
身体の仕組みから考える
本当に素晴らしい言葉です。
長い間、プロゴルファーとして技術を磨いてきて、そしてたどり着いた言葉、又は技術の本質なのでしょう。
「もの足らない」という感覚は、まだ十分に力を出していない、またはもっと力を出せる、もっと力を出せばもっと飛ぶ、そういう心境ではナイスショットは打てませんよ、と我々に教えて下さっています。
佐藤精一プロは、日本プロ、日本オープンの優勝者であり、本当の「技術」を持ったプロだと私は思います。
かなり高齢(少し失礼ですが)になったとき、テレビのゴルフ番組で実際にプレーするのですが、小柄な身体からキレのあるショットを放ち、パーやバーディーを重ねていく技術は本物です。
その頃の私は、技術を軽視していたわけではないですが、遠くに飛ばすには肉体面の向上の方に意識があったので、その時はそのすばらしさに気付いていませんでした。
筋肉はリラックスした状態、つまり力が抜けた状態の時が、一番速く動けるのですが、クラブを手にすると、力一杯振り回せば飛ぶのではないかと思いがちです。
それを戒めるために、「もの足らない」と感じるときが、一番いいスイングなんだよ、という教えは簡単な言葉のようですが、深さというか、佐藤プロの努力の歴史を感じます。
身体の動きから考える
ボールを飛ばそうと思ったときに、おなかの筋肉に力の入る人はいないでしょう。
同様に、足に力の入る人も、殆どいないはずです。
力の入る場所は、腕又はグリップが殆どです。
軽くボールを打っても、思いっきり打った時と距離が変わらない、又は軽く打った方が飛ぶことがあります。
何故そうなるのでしょうか?
思いっきり打った時と、軽く打った時の腕以外の部分の動きはどうかとみると、腰や足の動きは変わらないはずです。
パワーは足や腰の動きから多く出されますので、距離は同等以上に出ます。
又、腕を積極的に使うと、下半身の動きは抑制されますから、逆に距離は低下します。
「もの足らない」ほどに腕の力を抜けば、下半身を中心とした大きな筋肉が効率よく動き、そして大きなドライビングパワーが生まれるのです。
その事を、佐藤プロはわかりやすい言葉で、技術の神髄を我々に教えて下さっているのです。