ゴルフ理論(道具編)
硬化したラバーグリップ
もの凄く硬化した、つるつるのグリップを使っている人を時々見かけます。
カーボンシャフトより光っているような場合もありますが、そのクラブを借りてショットしたときに、よくミスショットが出ることがあります。
思い返すと、トップよりダフルことの方が多かったように記憶していますが、最初の頃はたまたまのミスショットと思っていましたが、ある時偶然ミスが出たのではない、と感じるようになりました。
雨で濡れたグリップでショットした時に、まともにボールに当たらないことと同じ事で、グリップが滑らないように、無意識のうちにグリップを強く持つために、ミスが起こるのではないかというのが私の考えです。
強くクラブを握ると、いつもより早くコックがほどけて、早くクラブが地面に落ちるのではないかと思います。
握る感触
写真は、ショップに展示してある45年以上前に製造されたクラブで、グリップは当時のままの革巻きです。
すでに亡くなりましたが、戸田藤一郎というプロが時々自分で革巻きのグリップを、調子に合わせて巻き替えていたそうです。
昔あるトーナメントで、ギャラリーの1人が戸田藤一郎さんのバッグからクラブを抜いて、そのクラブを持ったのです。
戸田藤一郎さんが戻ってきて、そのクラブを持ったとき、「誰か私のクラブを触りましたな」と言って、周りを見回したそうですが、そのぐらいグリップの感触を大事にしていたのです。
青木功プロは、毎試合自分で新しいグリップに変えていたのですが、グリップの感触を大事にしていたのでしょう。
今述べた2人のプロゴルファーに共通していることは、傑出した業師(わざし)ということです。
グリーン回りのショートゲームに要求される微妙なタッチや、弾道の高低などのボールを操る高度な技術は、繊細な感触を得るグリップと、密接な関係がありそうだと私は考えます。