軟鉄鍛造アイアン

 写真は、私たちが「鍛造」と呼んでいる、これから削って、ロフトやライ角を合わせて、そしてメッキを施して製品にする作業の、最初の段階の物です。「鍛造」は、最終製品に比べて、重量で約50gほど重たく、色んな場所を削って、自分の望むような形に仕上げていきます。

アイアンの製造方法のもう1つは「鋳造」です。溶けた鉄やステンレスを、型に流し込んでアイアンの形にします。鋳造の技術は相当進歩しているので、出来上がったアイアンの形状、ロフト角、ライ角などは、精度よく作られています。ヘッドを作る過程において、人間の手作業が介在するのは、ほんの僅かでしょう。

 鍛造は、写真の上の状態から、スコアラインを入れ、メーカーのロゴやマークを入れて、メッキを施して完成品にします。私の所のアイアンは、姫路にある林さんに作ってもらってますが、ロゴやスコアライン、ソールの刻印などは、手作業で器具にセットして行ないます。鍛造アイアンは、ホーゼル部分は接着されますので、鋳造アイアンほどライ角やロフト角が正確には作られません。また、ロゴなどの刻印を打つ時に、ライ角やロフト角が少し変わる場合があるそうです。

 今まで鍛造アイアンを頼んでいた会社は、林さんで3社目です。納期が予定通りでなかったことや、重量、角度などのばらつきが時々あることなどの理由で、頼んでいた会社をかえました。鍛造アイアンを、決められたロフト、ライ角に仕上げるためには、製品の出来上がる最終段階で、1つ1つのヘッドを計測して、ズレがあれば手作業で修正しなければなりません。かなり細かい作業です。

 以前、あるメーカーのアイアンが少しフックするので、ライ角を直してほしいというお客様がいました。ライ角、ロフト角を直す場合、事前に角度を計測するのですが、結構ばらつきがありました。ライ角は、1番手で0.5度ずつ変わっていきますが、例えば6番と7番のライ角が同じであるとかありました。そのお客様が使っているうちに角度が変わったことも考えられますので、いい加減なことは言えませんが、鍛造アイアンは、制作に関わっている人の「誠意」が現れる商品だと思います。アイアンを作っている「人=職人」を大事にしたいと、私はいつも思います。

タイトルとURLをコピーしました