打ちやすいように打つ

ゴルフ理論(考え方編)

よいスイングをするジュニアゴルファー

小学生や中学生などでゴルフをしている子ども達の多くは、かなりいいスイングをしている場合がありますが、彼らは「力(ちから)」がない、そして身体が柔軟であるから、「打ちやすい」または「振りやすい」ようにボールを打っているので、結果的に「いいスイング」になりやすいのです。

投げる、打つ、走る、など多くのスポーツ動作で理想とされるのは、「楽をする」つまり最小のエネルギーで、目的の動作を行う事だと思います。

小さなエネルギーで目的とする動作を行う事ができる「技術」、すなわち投げ方や、打ち方を身につければ、その技術に多くの「力」を投入すれば、より遠くに飛ばしたり、より早いボールが投げることができます。

「打ちやすいように打つ」という言葉は、一見無責任のように感じますが、実は上で述べた「最小の力で動く」ための大事なヒントがあります。

合理的な動きは、作るものではなく、正しい方向の練習を続けていくうちに、探し出すもの、または繰り返しの練習から、感覚的に身につける動きであると私は考えます。

「打ちたいように打つ」ではない

「打ちたいように打つ」は主体が自分であるのに対して、「打ちやすいように打つ」の主体は自分ではなく、クラブに発生している遠心力など、そのような色んな「力」であると考えます。

そのような「力」に逆らわずにスイングすることが、大きなパワーを発揮したり、また再現性の高い動きになるはずです。

剣豪の宮本武蔵も「五輪書」の中で、剣は振りやすいように振りなさい、と教えています。

宮本武蔵という人物は、物事を客観的、または科学的に考えているように思える人で、色んな剣の流派に「奥義」「秘伝」というものがあるが、そのようなものは、たいていの場合くだらないものが多いと述べています。

つまり「奥義」「秘伝」というものは、基本から外れた非オーソドックスな動きが、剣道の上級者に対して思わぬ動きとして有効であるのであって、初心者や中級者に対しては、かえって害であると述べています。

ゴルフのレッスンには、「?」が付くものがよく見られますが、宮本武蔵も言葉は、技術を追求していく者にとって、参考になる言葉ではないでしょうか。

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