
25年以上前の事ですが、色々とクラブを作っていた時、クラブの重心の変化が、弾道にどのように現れるか、ソールの形状を変えたら、どのようなショットの感触を得るのか、当然知りたい訳です。しかし、私のように個人のショップでは、スイングロボットを持っているわけではなく、またテストに協力してくれる人もいません。そのころ、アマチュアリズムのクラブを、ツアープロに使ってもらうために、トーナメントに出向いていましたので、この試合会場に一杯テスターがいることに気がつき、おまけに、試合会場の練習場では、コースで使用するボールが使われているため、ショットの結果は十分信用できます。
また、テスターはツアーに出ている女子プロですので、アマチュアよりショットの精度は数段上で、こちらの要望にかなり応えてくれます。また、一番良かったのは、沢山の女子プロに試打してもらうので、得られるデータの数が豊富という点です。わずかなデータだと、偏った結果に左右されることもありますので、沢山のプロに試打してもらったことは、信頼のある結果と言えます。
今も同じように、お客様に色々と試打に協力してもらっています。おそらく数年ぐらい前に、若い男性のお客様がゴルフを始めるので,クラブを買いたいと相談に来店され、上手くなりたいので、上級者用のクラブが欲しいと言われました。そこで、本人の要望もあり、写真の私が使っていたフラットバックアイアンを購入されました。たびたびショップには、買い物などに来られていましたが、時々80台が出るようになったと、嬉しそうに話されていて、その時この人は最初からフラットバックアイアンを使い続けているので、試打を頼むことにしました。
次にラウンドする時に、D-1モデルのキャビティバックをコースで打ってもらうように頼みました。特に、フェアウエイバンカーはぜひ試してほしいとお願いして、後日感想を聞きました。ソールが広いとダフリそうな気がした、という意見は私が想像していたものです。ほかのお客様にも、フラットバックを使っている人には、同じように試打をしてもらいました、結果は大体同じです。
皆さんの中には、「ジカドラ」ティーアップなしで、地面の上にあるボールをドライバーで打つことはあまりしないと思います。理由は、ナイスショットが打てる確率がかなり低いからです。なぜ、ナイスショットが出にくいのですか?ドライバーだから、ロフトが少ないのでボールが上がらない、その通りですが、一番の理由は、ソールが広いので、ボールがフェースに当たる前に、ソールが地面に当たってしまうので、ジャストミートが難しくなると私は考えます。
前にも説明しましたが、ソールが広ければボールが上がりやすいので、初心者にはお勧めという話はよく聞きますが、練習場のように平らなライからは、ソールが広いと打ちやすいと思いますが、コースにはいろんな傾斜があるので、ソールが広すぎるとかえってマイナスになることがあります。特に、これからゴルフを始める人には、ソール幅の狭いクラブを選ぶのは、良い選択かもしれません。最初は、まともにボールに当たらないかもしれないので、クラブとはこんなものかと受け入れやすいのではないでしょうか?勿論、今日まである程度ゴルフをやっていた人でも、クラブを変えようと考えている人は、ソールのやや狭いクラブを選択する事も考えてみてください。