ゴルフ理論(考え方編)
長い間、ゴルフクラブを販売していますが、お客様と色んな会話をしてきました。
その中で、こちらが返答に困る会話を少し挙げてみます。
(1)今使っているウェッジが時々引っかかる、フックボールが出る、ライ角が自分に合っていない。
(2)ずっとドライバーがフェアウェイに行っていたのに、突然5番ホールで大きく右に曲がってOBになってしまった。同じようにスイングしているのに、なんであんなにか曲がったんだろう。
同じように振っているのに、ボールが曲がるのは、ライ角やシャフトが合っていない、と真剣に悩んでいるのです。
このような問いかけに対しては、私は黙っているだけです。
冗談で言っているのであれば、こちらも何らかのリアクションがとれますが、本気で喋っているので、リアクションはありません。
真っ直ぐ飛んだショットの時と、曲がったときのクラブは何も変わっていないので、ボールが曲がるのは、打ち方が変わったしか原因はないのに、それが理解できない人が相手だと、応対するのは簡単ではありません。
新製品のドライバーを買ってもらったのに、コースで使用したら、前から使っているクラブより飛ばない、いつも自分がラウンドするコースだから、間違いないという方もいます。
その人がコースで打ったところを見ていなくても、その人が言ったことは間違いないと思います。
実際飛ばなかったのでしょう。
写真は、小さなヘッドが今自分が使っているドライバーで、ヘッド容積は400cc、大きいヘッドはPINGの新製品で、ヘッド容積は460ccです。
新製品のドライバーが飛ばないと言われたお客様が使っていたのは、私のと同じ400ccのドライバーでした。
何故、大きなヘッドのドライバーが飛ばなかったのでしょう?
ショップの2階でスイングしてもらったら、殆どのショットはヒールに当たっていました。
ここで注目したいのは、大きなヘッドのドライバーでヒールに当たっているのであれば、5番ウッドで打てば、ヘッドが小さいので空振りに近い、または空振りするかと言えば、ヒール気味に当たってはいるけど、空振りはしていません。
ここが大事な所です。
人間は、使う道具に応じてスイングしています。
大きなヘッドのクラブで打てば、小さなクラブで打ったときより、よりスイートスポットから離れたところ、つまり小さなヘッドなら1cmずれるのが、大きなヘッドであれば2cmずれる、このようなことが起こると私は考えています。
以上をまとめてみると、スイートスポットでショットできない人は、大きなヘッドにすると、距離が落ちることも考えられます。
道具と技術は、まさにコインの裏と表の関係で、切り離して考えることは出来ません。