ゴルフ理論(考え方編)
先入観、または思い込みという言葉でもいいのですが、ゴルフを続けていく場合に、マイナスの方に作用することがしばしばあるようです。
この先入観が特に影響するのは、スイングとクラブ選びによく見られます。
スイングにおける先入観
「最後までしっかりと振り切れ」ということは、あちらこちらで言われていますが、飛ばし屋と言われているプロで、しっかりと振り切っていないプレーヤーは結構いるものです。
その一人が、アメリカのバッバ・ワトソン選手で、今年のアメリカツアーで、現在平均飛距離がナンバーワンです。
彼は背は高いのですが、身体の横幅はそれほど大きくなく、ものすごく力があるようには見えません。
彼のドライバーショットは、時々フィニッシュでの両手の位置が、肩の辺りで止まることがあります。
一見すると、ハーフショットかスリークオーターショットをしているように見えますが、グリーンまで320ヤードのセカンドショットを、フェアウェイからドライバーでグリーンに届かせる、考えられない飛距離を放ちます。
振り切らなくてはボールが飛ばないと思っている人には、ワトソン選手のフィニッシュが小さいことが、おそらく目に入らないと思います。
思い込みのある人は、真っ白な気持ちで他人のスイングを見ることが出来ない、今までそう言う場面を数多く見てきました。
クラブ選択の先入観
写真のクラブは、私が今使っているアイアンで、フラットバックと呼ばれるものです。
私のクラブを見て、「難しいクラブを使っているのですね」という方が結構いますが、その人に「以前はフラットバックのアイアンを使っていたのですか?」と聞くと、「難しいので、キャビティバックのアイアンしか使ったことはありません」と答えられます。
フラットバックのアイアンを使ったことがないのに、「難しいアイアン」と断言する根拠はどこから来ているのでしょう?
それがまさに先入観なのだと思います。
経験していないにもかかわらず、あたかも体験したように、結論づけています。
私のところの最近のお客様で、これから本格的にゴルフを始めるに当たり、クラブを作る相談に来られて、私と同じアイアンを作った人が三人みえます。
先入観をお持ちの方は、初心者がフラットバックを使うなんてとんでもない話だと、憤慨するかもしれませんが、私は決して間違った選択ではないと思っています。
クラブを作って1年から1年半ぐらいたち、スイングもはじめの頃に比べれば力強くなり、上達というか成長を感じますが、彼らが練習に来たとき、「簡単」と言われるキャビティバックの大きなアイアンを渡して、打ってみたらと言うと、「大きすぎて構えにくい」とか「振りづらい」と答えます。
彼らは、他のゴルファーに比べたら、先入観はあまりなく、彼らの感じている感覚は正しいものだと私は思います。
今まで持っていた先入観を否定してみると、違ったものが見えてきたり、上達の大きなヒントを得るかもしれません。
これからまだ長くゴルフが出来ると思いますので、勇気を持って「否定」してみて下さい。