ブラッシー

 「ブラッシー」という呼び名は、現在ではあまり使わないかもしれませんが、キャリアの長いゴルファーなら、親しみがあると思います。「2番ウッド」です。ドライバー、ブラッシー、スプーンと、フェアウエイウッドが、だんだんロフトの多いウッドクラブにつながっていきます。

 写真は、リョーマゴルフのフェアウエイウッドで、ソールに「F2」と入っており、このクラブのロフトは13度です。やはりスプーンと呼ぶには、少しロフトが少ない気もしますので、ブラッシーと呼ぶ方が自然に感じます。では、このブラッシーは、どのようなときに使うのかと言えば、ライの良いフェアウェイから打てますし、ティーショットにも使えます。

 時々スプーンのほうが、ドライバーより飛距離が出る、という言葉を耳にしますが、その言葉を言っている人にとっては、本当にスプーンのほうが飛ぶのでしょう。ドライバーが一番飛ぶクラブと思っている人は多いと思いますが、決してそうではありません。ボールの飛距離は、ボールの初速、打ちだし角度、バックスピン量でほぼ決まりますが、バックスピンの量が十分でないと、早くボールは落ちてしまいます。「バックスピンを抑えて、飛距離を伸ばす」とドライバーの宣伝文句に使われますが、バックスピンが多すぎると、俗にいう「吹きあがる」という弾道になり、ボールの上昇する勢いが強くて、前に進む勢いが弱くなります。

 その反対に、バックスピンが少なすぎると、上昇する勢いが少なくて、早く地面に落ちてしまいます。ロフトが9~12度ぐらいのドライバーが一般的ですが、そのロフトでは十分なスピンが得られなければ、そのドライバーでショットしても、最大の飛距離が出なくなります。ゴルファーにとって、最適なバックスピンは、人それぞれで、写真のようなブラッシーやスプーンが一番飛距離が出る、という事は自然の事ですので、ティーショットはドライバーで打ちましょう、という考えを少し変えてみることも必要ではないでしょうか。

 このリョーマのフェアウエイウッドは、ソールのフェース寄りと、ヘッドの後方に、約80gのタングステンのウエイトが配置されており、これにより重心位置をかなり低くすることで、ボールの打ち出し角度を高く、また適正なスピン量を得やすくなり、飛距離が期待できます。

 ヘッドの小さいクラブでティーショットするのは、なんだかカッコ悪いと感じる人もいるかもしれませんが、ブラッシーやスプーンでショットした方が、方向性も良くなる可能性は十分ありますので、スコアアップのためにも、少し勇気を出すことも考えてみてはどうでしょう。

タイトルとURLをコピーしました