ゴルフの「技術」と言えば、ドライバーからパターまで、まさにボールを打つことです。ボールを打つといっても、いろんな技術のレベルがあり、例えばグリーンの近くからロブショットでピンに寄せる、林に入ったボールを、前方の枝の下を通して、途中からスライスがかかり、グリーンの近くに落ちる、この2つはプロやトップアマチュアの話でしょう。今回ここでお話しする「技術」は、ごく一般のアマチュアに関した技術です。
私のように、ゴルフクラブを売る側から見ると、お客様に期待する技術は、クラブでボールを正しく打つ、のような高い技術ではなく、ボールを「そこそこ」打てる技術です。極端にことを言えば、空振りすればどんな新製品でも、ボールは飛ぶはずがなく、クラブの機能は発揮できません。ボールの頭を辛うじて当たるようなショットも同じです。クラブのスイートスポットの近くに、「まあまあ」当たらないと、折角スコアが良くなることを期待して買ってもらっても、残念な気持ちになるだけで、こちらとしても少し心苦しくなります。
「まあまあ当たる技術」とは、それほど難しいものではないと思います。ボールの大きさに対して、長い時間をかけてだんだん改良され、ヘッドの大きさやソールの形状が出来上がったのが現在売られているクラブです。できる限り打ちやすくなっているはずです。50年前のクラブと、現在売られているクラブとは、ヘッド、シャフトの素材から、重量などかなり変わっています。50年前のクラブでラウンドしたら、今普通に出ているスコアはとても出ないと思います。
50年前のクラブと、現在のクラブの差とは、大きめなミスショットを、やや小さめなミスショットにしてはくれますが、ナイスショットにはしてくれません。ゴルフをしている人は全員、少しでも良いスコアを出そうと練習したり、新しいクラブで何とかしたいと考えます。最近、以前よりスコアが悪くなったと感じている人は、結構多いと思いますが、原因は打ち方の変化です。よく見る例は、フォロースルーをしっかり振る、または振り切る、フィニッシュで左足1本で立つなど、このようなことを意識的な行えば、当たりは悪くなります。
最近調子が悪くなった人が、少し前の良かった状態に戻すには、的確な指摘があれば、意外と短い時間で調子が良くなることがあります。アマチュアゴルファーは、それほど多くの練習時間を確保することは出来ませんので、少しの修正で、「そこそこ」の状態にすることが望まれます。そして、的確な指摘のできる人を見つけるのが、何よりも大事です。