クラブフィッティング

ゴルフ理論(考え方編)

フィッティングとは何か

クラブフィッティングとは、最近時々耳にする言葉ですが、わかりやすく言えば自分の体型や、スイングにあわせたクラブを作ることを言います。

シャフトの硬さや重さなどは、通常クラブを買うときに色々選択できますが、ライ角などは選ぶことは難しい場合が多いようです。

今回は、ライ角について考えてみたいと思います。

アマチュアリズムは完全オーダーから出発した

平成7年に「アマチュアリズム」というブランドを作り、当初はアイアンクラブのロフト、ライ角を完全にオーダーできるようにしていましたが、数年してから、完全オーダーを前面に出さなくなりました。

なぜそうなったかというと、それをやってもあまり意味がない場合が多いと感じるようになったからです。

平成8年からプロのトーナメントに行くようになり、多くのプロと接するようになり、多くのことを発見しました。

その当時、女子プロというと平均身長は160センチぐらいでしたが、彼女たちが使っているアイアンクラブは、一般アマチュア男性が使うのとほぼ同じで、長さは5番アイアンで37.5インチ、フレックスはRという具合でした。

彼女たちの身長からすると、長目のクラブを使っているプロが多いように思えたので、彼女たちにライ角のことを聞くと、「ライ角って、何ですか?」と言うプロもいて、最初は少々驚いたのですが、殆どのプロはそのまま使用していました。

しかし、ピンを狙うショットは、本当に正確でした。

ライ角がショットに与える影響

身長が160cmを少し切るような女子プロに、短い芝生のところでアドレスしてもらうと、アイアンヘッドのトゥ側はかなり地面から離れています。

どう見てもライ角があっていないように見えますが、正確なショットを打ち続けます。

この疑問に答えのようなものを与えてくれたのが、あるトッププロとの会話でした。

そのプロの言葉で、少々のつま先上がりや、つま先下がりではボールは殆ど曲がらない、というものでした。

自分の経験からしても、確かにそれは納得できるものでした。

無意識のうちに、ある程度調整をしながらショットしているのが、人間に備わった能力なのでしょう。

だから、アップライト過ぎるクラブでも、ピンを狙って打てるわけです。

私は、ライ角は関係ないと言っているのではなく、気にしすぎる必要はないと言うことです。

ライ角を厳密にオーダーしてクラブを作っていた頃、ショットが曲がり出したので、ライ角が合っていないと何度も調整にこられるお客様がみえましたが、はっきり言ってスイングの問題で、ライ角の問題ではないのですが、「そのスイングでは、真っ直ぐなショットは打てませんよ」とは、口が裂けても言えません。

ライ角のことを細かく説明しすぎると、かえってお客様のゴルフの上達を阻害することに気がつきました。

自分のスイングに意識を向けてもらうことが、上達への確かな道のはずです。

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