温故知新2

ゴルフ理論(考え方編)

写真は私の本で、おそらく30年ぐらい前に買ったベン・ホーガン著の「モダンゴルフ」というゴルフのレッスン書です。

驚くことに、この本はいまだに本屋さんで売られています。

しかも、この本は50年以上も前に書かれたものです。

今回は、このベン・ホーガンの言葉を取り上げますが、今後彼の言った言葉は何度でも登場するでしょう。

*ショットの成否は、90%以上がアドレスで決まる。

私がこの言葉を知ったのは、おそらく30年ぐらい前ではないかと思います。

ベン・ホーガンが言うには、ショットが成功するか、失敗するかは、90%以上がアドレスで決まってしまう、ということなのですが、90%はいくらなんでも多すぎるのではないか、というのが少し前までの私の感想でした。

しかし、今はこの言葉は正しいのだろうと思えます。

前にもここで少し書きましたが、平成16年の年末に「もう一度いいボールを打とう」と決心して、練習に取り組みました。

何故そう思ったかというと、競技に出なくなってかなりの年月がたち、知らないうちに自分のスウィングが「あまい」ものに変わってしまいました。

何とかパーは取れても、自分の打っているショットに我慢が出来なくなってきたのでした。

「いいボール」を打つためには、ヘッドスピードを上げる、そして目標を秒速50mにおきました。

それから7,8ヵ月後にヘッドスピードを計測したら、いきなり50m/secが出て自分でも本当に驚きました。

50m/secは、あくまでも目標で、達成可能とは考えていませんでしたから。

15年ぐらい前、競技に出ていた頃でも48,49m/secが限界でした。

そして、毎日ヘッドスピードの計測をして、そのうちに51.8m/secや52.2m/secという数字を見るうちに、53m/secや54m/secも夢ではないと思い、さらにヘッドスピードを上げようとしました。

しかし、その時から2年間にわたる大スランプが始まったのです。

ヘッドスピードを上げるためには、体を軟らかく、すなわち力を抜いてスウィングしなければならないのに、一旦クラブヘッドを速く振ろうとしたとたんに、力みだしたのです。

この力みは、簡単に取れるものではありませんでした。

もちろん、ヘッドスピードを落としてもいいと思えば、力みは比較的簡単に取れたのでしょうが、諦めたくはなかったので、苦しみながらいろんな方法を試みました。

色々やっているうちに、よしこれでスランプから脱出できると何度も感じましたが、またすぐに力みだしてしまう、この連続でした。

そして、やっと分かったのが、アドレスでの心と体の状態が大事であると。

それまでは、アドレスを除くスウィングのことばかりに焦点を当てていたので、本当の解決方法が見つからなかったのだと思います。

アドレスで大事なことは、目標に対してまっすぐにセットアップしているかどうか、だけだと考えている人は多いと思います(少し前までは、私も近いものがありました)。

アドレスしたときに、「ああ、左の池がいやだなぁ」と心の中で思えば、間違いなく左の池にボールは飛び込んで行きます。

「想像は意思より強い」で、アドレスで嫌な想像をしたら、ミスショットは約束されたものになります。

また、アドレスで焦りの気持ち、不安、力いっぱい振ってやろう、などの精神状態でスウィングすれば、必ずミスショットになります。

アドレスで大事なことは、目標に対するアライメントだけではなくて、心の状態がどのようであるかということでしょう。

2年間にわたる大スランプも、アドレスで「心穏やかに」するようになって、やっと脱出できました。

心穏やかな状態で、そして目標に対して正しくアドレスすれば、まずミスショットはおきないように思います。

やはりベン・ホーガンの言うように、ショットの出来、不出来はアドレスで殆ど決まるのだと思います。

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