写真は、向かって右側が、今自分が使っているサンドウエッジで、左側はどこのメーカーか分かりませんが(おそらくかなり昔の輸入クラブでしょう)、ソールの面積はユーティリティーぐらいありそうです。また、ソールには「とても簡単なサンドウエッジ」と書いてあります。ほんとでしょうか?
ソールが広ければ、砂の上などで滑ってくれるので、簡単にボールを上げやすいという発想で、このクラブが作られたと思います。そもそもアイアンというクラブが作られた経緯を考えると、ラフやライの悪い所(ディボット跡やバンカーなどの砂の上)からショットする場合、ソールが広すぎると、ボールにしっかりとクラブフェースがコンタクトできない、という要求から出来たのではないでしょうか。
ウッドクラブは、フェースとクラブヘッドの重心位置の距離が離れているため、インパクト時に大きな力を加えられるので、ロングショットに力を発揮できます。しかし、色んなライからショットするのがゴルフなので、ソールの幅を狭くして対応してきたのです。100年ぐらい前のアイアンのソール幅は、現在使われているフラットバックアイアンのソール幅の半分ほどしかありません。ヘッドの製造技術の制約などがあり、致し方ないことだと思います。
ソールが広いことのデメリットは、傾斜のあるライからのショットで、クラブフェースとボールのコンタクトに難があることでしょう。特に、右打ちの場合、左足下がりのライからは、少しダフリ気味のショットになるか、それを避けようとすると、トップ気味に当たりやすい傾向があります。また、浅いディボットにある時や、フェアウエイバンカーで少しボールが沈んでる時は、ソール幅が広いと、ジャストミートがかなり難しくなります。
よく言われるのが、上級者やプロは難しいフラットバックアイアンを使うと言われますが、難しいクラブをわざわざ使うのではなく、上で述べた悪いライからのショットで、ナイスショットは難しいかもしれないが、そこそこのショット(グリーンの近くまでボールを運ぶ)が打てるために、ソール幅の狭いクラブを使用するのです。
現在でも、ソールの広いウエッジが販売されています。バンカーショットが苦手な人や、グリーン周りのアプローチもあまり得意ではない、という人がソールの広いウエッジを使用している人を見かけます。左足下がりのバンカーから、トップやダフリでボールがうまくバンカーから出ない場合、苦手なショットなのでミスは仕方ない、と思っている人は多いかもしれませんが、打ち方だけではなく、ソールの広いウエッジがミスショットを生んでいる可能性は十分にあると思います。
最近のYou Tubeで、コンボアイアンセットの話をしましたが、ロフトの多いショートアイアンなどのクラブは、出来るならソール幅の狭いフラットバックアイアンをお勧めします。ゴルフ場で、より良いプレーをするために、今までの考え方を、少し見直してみる価値はあると思います。