両監督の違い
素晴らしい戦いでした。
プロの勝利に対する執念を見せてくれました。
今回は、あまり人気のあるカードではなかったらしく、全国放送がされなかったようですが、プロ野球ファンでテレビで見れなかった人たちには、本当に気の毒な気がいたします。
手に汗握る戦いとは、まさに今回の戦いであり、日本シリーズが終わった時、ロッテがパリーグ3位の成績だったことをコメントする人はあまりいませんでした。
それぐらい、両チームの攻防が激しく、試合を見終わった時には、何位通過なんてことはどうでもよくなっていたのでしょう。
私は、ロッテの西村監督の顔が好きで、本当に人のよさそうな印象を受けます。
「人のよさそうな」とは、他人のことを思いやるということと、ほぼ同じような意味だと私は考えていますが、選手から聞こえてくる「監督を胴上げしよう」の言葉に、監督の選手に対する思いやりを感じます。
また、西村監督は選手だけでなく、球団のスタッフ、いわゆる「裏方さん」にも気を配られている気がします。
みんなが1つになる「空気」を作ったことで、素晴らしい力を発揮したのでしょう。
チームで戦う時は、みんなの気持ちが1つにまとまった時に、もの凄い力が出ますが、その反対のケースでは、個々の能力が優れていても、チームをしては大きな力が発揮できません。
中日の落合監督が、第5戦が終わった時点で「これは想定内だ」という発言をしました。
この時点で中日は2勝3敗で、ロッテが王手をかけている状態です。
この発言は、私には全く理解できないものでした。
名古屋ドームでは、かなりの勝率を上げているとはいえ、今年の日本シリーズは名古屋ドームで開幕し、最初の2戦は1勝1敗で千葉に移動したわけですから、名古屋ドームに戻ってきたら2戦とも絶対に勝てるとは考えにくいのではないでしょか。
結果は、中日の引き分けと負けで、ロッテの日本一が決まり、「想定内」の発言の後中日は1勝もしていません。
3,4年前の中日と日本ハムの日本シリーズの時、中日が1勝3敗となってあとがなくなった時、落合監督は「あと3つ勝てばいいんでしょ」とコメントし、次の試合に日本ハムが勝って、その年の日本シリーズを制しました。
ゴルフでも、試合が終わった後インタビューなどを受ける選手がよくいます。
ファンにとってみれば、たった今終わったばかりの選手の声を聞くことは、スリリングなゲームをもう一度振り返り、ゲームの余韻を楽しむために大きな役割を果たしているといえます。
プロとして自覚のない発言は、楽しかったゲームを台無しにしかねません。
ゲームをやって、勝てば監督としての仕事を果たしたと考えているならば、プロスポーツというビジネスには不適格といえるでしょう。