前回に引き続き、ヒューストンオープンでの体験を、そして感じたことを述べてみましょう。
パッティングの練習グリーンは、一面しかなかったのですが、日本のトーナメントと違って、とにかく大勢のプレーヤーがそこで練習していました。
本当に混雑している、という印象を受けるぐらいでした。
練習グリーンの周辺にあるカラーのような部分から、チップショットをしている選手などは、前の人のスパイクの踵のすぐそばにボールを置いて練習をしていますし、また、自分の打ったボールが、他のプレーヤーの脚に当たっても、ボールを打ったほうも、また、当てられたほうも、お互いに目を合わせて、ニコッと微笑むだけで、すぐに真剣な表情に戻って練習していました。
「必死」で練習している、ただそれだけです。
ドライビングレンジを見ると、やはり大勢のプレーヤーがボールを打っています。
日本のトーナメントも、アメリカのトーナメントも、参加選手の数は殆ど変わらないはずなので、アメリカでは多くの選手が帰らないで、練習を続けているということなのでしょう。
次に、日本のトーナメントでは、プロアマ競技が、トーナメント初日の前日にあります。
ところが、ヒューストンオープンでは、プロアマ競技が1週間の間に3回あります。
月曜日、水曜日、土曜日の3回です。
月曜日と、水曜日のプロアマ競技は、トーナメントが開催されるコースで、そして、土曜日のプロアマ競技は、近くのコースで開催されます。
なぜ3回もプロアマ競技が行われるかと言えば、予選に落ちた選手のためなのでしょう。
前回お話したように、アメリカのツアーは、数試合を同じ地域で行い、また、違う地域で数試合行われて、全米を転戦していきます。
もし、仮に予選に落ちた選手が、次の試合も同じ地域であれば、家に帰らず次のトーナメントコースに向かったほうが、経済的にも、時間的にも好都合であるかもしれません。
月曜日と土曜日に行われるプロアマ競技は、そのような選手のためにあると思います。
予選落ちすれば、当然賞金は稼げなく、次の試合までホテル代など滞在費が要るわけですから、その選手たちの収入になるように、プロアマ競技が1週間に3回も行われるのでしょう。
日本のトーナメントは、もっと積極的によい面を取り入れなければ、衰退の道を辿らざるをえないかもしれません。