飛距離は生まれつきのもの?(後編)

店長の視点(AMATEURISM)

プロ野球 王貞治氏の場合

プロ野球の最高のホームランバッターである「王貞治」氏について、少し考えてみましょう。

18才でプロに入って、最初の3年間のホームランの数は、7本、17本、13本でした。

そして次の3年間は38本、40本、55本で、10数年にわたって50本近いホームランを打ち続けたのですから、とんでもない選手だったわけです。

このように途中から大きく変わって選手は希有で、技術の追求を考えるに当たり、注目すべきケースに思います。

そして、注目すべき事として、長い間ホームランを打ち続けたと言うことです。

今まで、2、3年ぐらい沢山のホームランを打ったことがあるが、そのあと打てなくなった選手はかなりいます。

怪我による体力の低下というケースもありますが、たいていの場合は「技術」を忘れてしまった、と私は考えます。

何故なら、30才を少し過ぎたぐらいで、体力が落ちてボールが飛ばなくなったとは、考えにくいからです。

日本古来の武術を基本に

王貞治氏の昔の映像を見ると、日本刀の真剣を振っているものを見ることが出来ます。

そして、その真剣でわらの束を切ったり、天井からぶら下がっている紙を切ったりしています。

居合抜きの高段者に習ったそうなのですが、昔の武士が真剣を振るということは、闘うわけですから、凄い速さと正確さが要求される「技術」を身につけなければ、生き残れません。

王貞治氏は、そういった技術を身につけたのです。

以前にここで紹介した王貞治氏の練習日誌を見ると、何度も素振りをして自分の動きを修正しています。

身につけたつもりの技術でも、ある時忘れてしまうことは、ゴルフでも野球でも良くあることでしょう。

長い期間にわたってホームランを打ち続けたとということは、どのような打ち方をすれば、ボールを正確に、かつ遠くに飛ばせるかを知っていると言うことです。

「技術の本質」を知っているのです。

前にも述べましたが、「技術」は言葉や数字で全てを表すことは不可能と私は考えています。

また「技術」を伝えるという作業は、長い時間が必要です。

マスコミがゴルフを取り上げるようになり、簡単に身につく「技術」を紹介するようになって、本当の「技術」が埋もれてしまっているのが現状かもしれません。

飛距離は生まれつきのものではなく、本当の技術を身につければかなり伸びると、私は信じています。

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