道具の規制について

まず、写真を見ていただきたい。

黒色の大きなヘッドは、私が今使っている400ccのドライバーで、上のクラブは、1980年代後半に流行ったメタルヘッドのドライバーで、ヘッド体積は大きく200ccを下回っています。

もし、同じぐらいの技量を持つ2人のプロゴルファーが、1人は400ccのドライバーを使用し、もう1人が写真の小さなドライバーを使ってラウンドしたら、どんな結果が出るでしょうか。

二人ともゴルフの調子が良かったら、2人の間に大きなストローク差はあらわれないと思います。

せいぜい、1、2ストロークぐらいでしょう。

しかし、2人ともゴルフの調子があまりよくない時に、そして、コースセッティングの難しい(距離が長くて、フェアウェイの幅が狭い)コースでラウンドしたとすると、結構な差が出るのではないでしょうか。

私の規制に対する考え方

調子が悪い時は、スウィートスポットからはずれてショットすることが多いはずです。

小さなメタルヘッドで、スウィートスポットをはずすと距離が大きく落ちて、またボールの曲がりも大きいでしょう。

逆に大きなヘッドの場合は、同じようにスウィートスポットから外れても、飛距離のロスや方向性も、小さなメタルヘッドほどは悪くならないでしょう。

調子の悪い時ほど、大きなヘッドの恩恵を受けることになり、スコアが悪くなるのを道具がある程度防いでくれます。

すなわち、使用している道具によって、結果(ストローク)に大きな差が生じる可能性が、きわめて高いと言えます。

タイガー・ウッズが、最初にマスターズに優勝した時に使用していたドライバーのヘッドは、メタルの200ccぐらいのものでした。

今回のマスターズで、最終日の16番ホールで劇的なバーディーを奪った後、17番、18番ホールで大きくショットを曲げました。

私の目には、随分道具に助けられたように映ります。

メジャートーナメントで開催コースが変わらないのは、マスターズだけです。

だから、時間的な比較が可能で、たとえば15番ホールはグリーンの手前に大きな池があるロングホールですが、今から15年ぐらい前までは、選手が2オンを狙おうとすると、ギャラリーから拍手がおきました。

何故かと言えば、セカンドショットで手にするのは、殆どの場合ウッドなので、当然リスクは高く、その勇気に拍手を送ったのでしょう。

テレビを見ているわれわれも、仮に今から打とうとしている選手が優勝争いに関係なくても、そのスリルに満ちたショットにドキドキしたものです。

現在のように、セカンドショットをショートアイアンで打つのでは、池に入れる可能性は非常に低く、昔ほど、トーナメントの中継に興奮を覚えなくなったのは、私だけではないでしょう。

やはり、プロの試合は道具を規制した方が、絶対に興味あるものになると思います。

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