タイガーがマスターズで勝ちました

タイガー・ウッズがマスターズトーナメントで優勝して、彼はメジャートーナメントに勝てないという私の予想は、見事にはずれました。

弁解するつもりは、全くありませんが、私の感想を述べます。

最終日の彼のプレーで、17番のティーシットは大きくプッシュアウトし、また、18番ホールのセカンドショットは、浅いラフから大きくプッシュして、グリーン右のバンカーに入りましたが、ぎりぎりはいったのではなく、バンカーの中央からやや右目にキャリーしたようでした。

つまり、ピンの位置より25ヤードほど右にボールが落ちたのです。

私は、今まで数多くのメジャートーナメントを見てきて感じたことは、真のチャンピオンは大事な場面では、絶対にショットを曲げない、ということでした。

今振り返っても、ウッズは本当によく勝ったと思います。

タイガーの今後について

何故、17番、18番で大きくショットが曲がったのか、私なりの分析を述べます。

昨年後半でないにしろ、打つ前の素振りで、意識的に右腕を、フォロースルーで伸ばしたような動作をしています。

私は、ここに問題があると思っています。

人間の動きは、筋肉の収縮によって行われますが、この収縮(反射によるものは除く)は、脳からの指令によって行われていることは、皆さんご存知だと思いますが、脳から出ている指令のうち、約4分の3は、肘から指先の部分に対してであり、残りの4分の1で、足とかほかの部分を動かすそうです。

ですから、手はよく動くのですが、足は手のように器用には動かないのです。

また、緊張もそれに比例して現れるようで、手の部分に多くの緊張が現れて、大事なパッティングのときに、自然とグリップに力が入るのはそのためでしょう。

ウッズ選手が、フォロースルーで腕を伸ばそうとする動作は、まさに腕で行っているので、大事な場面になればなるほど、ミスショットが出る危険性が増すと思います。

緊張下で動けない技術は、何にも役に立たないと考えています。

練習場でボールを打っているような、リラックスした状態ではうまく打てるけど、緊張した時はうまく打てないという技術は、本当の技術ではないでしょう。

私は、スウィングを考える時、緊張した状態で、反復性の高い動きをするためには、体のどこの部分を使うべきか、これが考えの出発点になっています。

彼はすばらしく強い精神力を持っているようだし、優勝経験も豊富で、また、アプローチやパッティング技術も卓越していますから、今回も優勝できたのでしょう。

フォロースルーで腕を伸ばすような動作は、スウィング矯正のためものであればいいのですが、今のスウィングを続けると、以前のような、他を圧倒する強さは生まれないでしょう。

肝心なところでショットを曲げていると、競っているほかのプレーヤーがだんだんと余裕を持って、彼を見るようになります。

「なめられて」しまっては、勝負師としては一流になれないのではないでしょうか。

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