ゴルフ理論(道具編)
ゴルフ中継を見ていると、プロの打ったアイアンショットが、ピンをオーバーしたところに落下して、バックスピンでピンの方に戻ってくるシーンを見かけます。
我々アマチュアからすれば、一度はあんなショットが打ってみたいと、あこがれるようなショットです。

写真は、もうすぐラインナップに登場する、よくスピンのかかるサンドウェッジです。
なぜスピンがよくかかるかと言えば、写真でもわかると思いますが、ソールの少し上が削ってあって、その重量をヘッドの上の部分に移して、スウィートスポットが高くしてあり、縦のギア効果でスピンを多くします。
そして、フェースにある溝(スコアライン)は、まったく普通のものです。
ハイスピードで、バンカーショットのインパクトを見た方はわかると思いますが、フェースの上をボールが回転しながら登っていくように見えます。
クラブにはロフトがあるため、インパクトの瞬間にボールがフェース面を少し上のほうに転がる、それがバックスピンの正体です。
また、ゴルフクラブの特性として、スウィートスポットの上で打つと、バックスピンが少なくなり、逆にスウィートスポットの下で打つと、バックスピンは多くなる、これが縦のギア効果と呼ばれるものです。
スピンがかかる秘密
ウェッジの宣伝のコピーを見ていると、フェース面の溝の角が鋭利になっており、それがボールの表面を削って強烈なバックスピンをかける、なんてものがありますが、ボールを打った後、フェースの溝にボールの表面の白いものがついていることは、フェースの上をボールが滑っていることを意味します。
りんごの皮をむくとき、ナイフが皮をむきながら、リンゴの表面を移動していきます。
逆に、リンゴの表面が硬いか、ナイフの切れ味が悪いために、うまく切れずに、思わず手からりんごが落ちることがありますが、あれはりんごに回転が生じて、手から滑り落ちるのです。
今から15年ほど前に、フェース面の溝を彫刻して、今で言う角溝にしたクラブをつくりましたが、浅いラフからのショットはよくボールが止まるのですが、フェァウェイから50ヤード、60ヤードのサンドウェッジのショットは、あまりスピンがかかっていませんでした。
もちろん、ショットの後には、フェース面にボールの削れた白いものがついていました。
いろいろ考えて、以上のことがわかったのですが、スピンがあまりかからなくて、しかもボールが早く悪くなってしまうなんて、これはダメだと思い、それ以後は普通の溝のクラブしか作っておりません。
このサンドウェッジを、モニタープレゼントしますのでお楽しみに待っていてください。