ゴルフ理論(考え方編)
タイガー・ウッズの場合
タイガー・ウッズは1996年に大学を中退してプロに転向しましたが、そのスイングの切れの良さは、比較できるプロが全く存在しないほど、傑出したものでした。
そして、その翌年、2位に大差を付けてマスターズに優勝し、本当のスーパースターの登場にワクワクしてテレビを見ていました。
プロ転向して19年が過ぎましたが、彼ほどスイングを変えた選手は見あたらないと思います。
今年の6月か7月ぐらいのことですが、トーナメント中継を見てたときのことです。
タイガー・ウッズがロングホールのセカンドショットを、フェアウエイウッドで打とうとして、完全なチョロを打ったのです。
後方から写していたので、打った瞬間地面の上をボールが転がるのがはっきりと見えました。
人間ですから、当然ミスショットは打ちますが、このようなチョロはいいスコアを出せる選手が打つミスではありません。
いいスコアの出せる選手がするミスは、少し引っかけたとか、少しトップ気味という程度のものです。
だから、大叩きをするタイガーを見ていて、当然と感じます。
スイング改良に明け暮れ、単純にボールを打つという「感覚」を喪失しているように思えます。
息の長い選手の場合
長い間トーナメントで活躍している選手は大勢いますが、ジャック・ニクラウスやトム・ワトソンを見ていると、スイングがあまり変わりません。
若いときに比べたら、スイングスピードが少し遅くなったとかありますが、スイングの「印象」は変わっていないようです。
彼らも練習を重ねる打ちに、少しずつスイングを変えたかもしれませんが、それは見てはっきりと分かるものではないほどの「変化」であったはずです。
見て分かるほどの「変化」とは、かなり大きくスイングを変えることのように思えます。
大きくスイングを変えることのリスクとして、今まで自分が持っていた「ボールを打つ」という感覚を無くしてしまい、あらたに新しいスイングでその感覚を得るまでに、かなりの時間を要するように感じます。
その時間が長い場合は、新しいスイングを良くないと感じ、さらに次のスイングを試す、そうすると不調は長期化し、写真に見るような深刻な顔で練習を続ける、悪い循環に入っているタイガーを見ている気がします。