ゴルフ理論(身体編)
前回に引き続いて、何故力むのかを考えて見ましょう。
誰もが経験することですが、コースにおいて、力まないでリラックスしてショット出来るときがあります。
それは、OBらしきショットを打ったあとの、暫定球のときです。
がっかりして暫定球を打つと、結構ナイスショットが多いものです。
そうすると、同伴競技者から「何で最初から今のショットを打たないの?」と冷やかされますが、なかなか最初に暫定球のようなショットが打てないものです。
打てない原因は、気持ちにあります。
最初のショットを打つときは、「遠くへ飛ばしてやろう」としてスウィングするのに対し、暫定球は「アーぁ」と心の中でため息をつきながら、がっかりしてショットをしますから、リラックスした状態でスウィングするので、距離の出るナイスショットになるのです。
いろんなスポーツがありますが、そのスポーツが上手いか、下手かの分かれ目は、力が抜けているかいないかと言っても、過言ではないでしょう。
去年、ワールド・ベースボール・クラシックがありましたが、今年メジャーリーグに移った松坂選手が、中国戦で、振りかぶった時にボールを落としてボークをとられました。
もしボールをしっかり握っていたら、ボールを落とすことはなったはずです。
松坂選手は、ボールが指から抜け落ちる寸前の、弱い力でボールを握っているからこそ、あのスピードボールが投げられるのです。
宮本武蔵の書いた「五輪の書」においても、武蔵は剣を「静かに振れ」と言っています。
力を入れて刀を振ると、速く振れなく、相手に切られてしまうのです。
「力まない」ようにするために、どうすればよいかというと、まず最初に、知識、または、理性として、力むことが筋肉を硬くして、スピードが落ちることをしっかりと理解することです。
そして、その理解の下で、力んだら自分自身に、スピードが落ちることを言い聞かせ、ゆるゆるのグリップで、全身、特に、腕の筋肉をやわらかくして、ボールを打つ続けるしかないと思います。
忍耐強く続ければ、やがてヘッドが「走る」感じがつかめるはずです。