店長の視点(AMATEURISM)
彼の実力は際だっています。
プロに転向してから数試合、時々彼のプレーをテレビで見ることがありますが、何が優れているのか、私の考えを述べてみます。
ボギーを打たないことが最優先事項
今年の中日クラウンズトーナメントの最終日、ワンオン可能なミドルホールの1番ホールで、彼はドライバーを手にしないで、ユーティリティでティーショットしました。
何人かの選手は、ドラーバーでグリーンの近くまでボールを運んでいました。
松山選手の飛距離なら、十分グリーンまで届かせることが出来たのに、彼はその選択をしませんでした。
慎重過ぎなのではないか、と言う意見があると思いますが、私は彼がゴルフというゲームの怖さをよく知っている、と感じます。
不注意なボギーを打つことは、後のプレーに大きな影響を与えることがよくあります。
一生懸命やった結果のボギーと、ちょっと無理な攻めをした結果、それほど難しくないホールでボギーを打つのとは、心理的な影響は測りしれません。
彼は、ゴルフを18ホールや72ホール全体を考えて、1ホール、1ホールプレーしているのではないかと思います。
1ホール、1ホールを攻めていって18番ホールにたどり着く、というゴルフではないようで、同年の石川選手とは好対照です。
強い選手に共通している秀逸な小技
グリーンを外した後の、ショートアプローチとパッティングが際だってうまさを感じます。
ただ、私には凄く上手い打ち方をしているようには見えなく、凄くオーソドックスな打ち方で、色んな状況に対処しているように感じます。
言い方を変えると、色んな打ち方を駆使するのではなく(勿論プロですから、アマチュアに比べたら打ち方のバリエーションは多いのは当然です)、シンプルでかつ安全な打ち方を選択して、今自分が出来る最高の結果を出そうとしている、そのように映ります。
技におぼれるのではなく、最悪の結果だけ避ける、これはティーショットにドライバーではなく、ユーティリティーを使う彼のプレースタイルから見ても、グリーン回りのシンプルな打ち方に、共通しているものを感じます。
これが、彼のゴルフが簡単に崩れない、秘密であるように私は思います。
最後に、プレーしている間、彼の心は大きく揺れ動いていないようです。
バーディーを取ったときも、軽くほほえむだけで、表情を崩すことはなく、ボギーを叩いたときも、凄く悔しがる姿を見たことがありません。
ポーカーフェイスと言われるように、本当の勝負師は表情を変えません。
彼は、一流の勝負師の資質をすでに備えているようです。