ゴルフ理論(考え方編)
帝王(ジャック・ニクラウス)のに残した言葉
「基本を繰り返し練習していると、新しい世界がみえてくる」と、帝王ジャック・ニクラウスは述べています。
基本的な練習を繰り返しているだけでは、何も変化が起きないのではないかと思うのは、普通に考えて当たり前のような気がします。
では、ジャック・ニクラウスは、何がみえたというのでしょう。
本田技研の創業者である、本田宗一郎氏は1ミクロンの差を手で触って分かると言います。
日本刀を作っている人は、肉眼では絶対に見えないもの凄く小さな刃こぼれが見えるそうです。
人間の能力として、1つのことを長く続けていくと、普通の人間には見えないものが見えるようになったり、感じることが出来るようです。
ジャック・ニクラウスは新しいシーズンを迎える準備として、基本の練習を徹底的に繰り返すそうです。
それを毎年同じことを繰り返すうちに、去年やその前の年に感じなかったものを、感じるようになったのだと思います。
それが冒頭に述べた、「新しい世界がみえてくる」という言葉になり、繰り返し行う事により、感覚がドンドン研ぎ澄まされてきて、今まで感じなかった感触などを体験して、新しい発見になるのでしょう。
「基本の繰り返し」は、単純労働ではない
ジャック・ニクラウスは、ボールは単純に打たなくてはいけない、と言います。
全く同じことを、王貞治氏も「バッティングは、シンプルなものだ」と言います。
スライスやフックなどのような応用技術は、基本がしっかり出来ている人のみが出来るものと言ってもいいでしょう。
違う言い方をすれば、基本の技術に、ほんの僅かの手を加えれば、それが曲がる球筋や、弾道の高低になると思います。
ゴルフのスイング理論は、色んなものが登場してきますが10年、20年のスパンで見ていると、その殆どが消えていくようです。
今までなかったスイング理論を展開すれば、それを注目する人が現れるかもしれず、そうすれば自分のビジネスにプラスがあるかもしれません。
しかし、人間が力を出す仕組みは、ゴルフでも、野球でも、色んな作業でも同じであるので、画期的な新しい方法が現れる可能性は、極めて少ないと言えるでしょう。
人間が効率的に力を出す基本的な「動き」をしっかり身につけることが出来て、初めて技術の応用が出来るのであって、応用技術は基本的技術のほんの僅かの「変形」と考えた方がよいと私は考えます。
だから、一流選手ほど基本動作の確認を怠らないのでしょう。