「人によって言うことが違う」!?

人によって教えが違うのは何故?

自分より上手な人に、ボールの打ち方を聞くと、「人によって言うことが全然違う」と不満を漏らす人は大勢います。

トップオブスイングで、右脇を締めろという人がいるし、しめる必要はないという人もいます。

スイングについて悩んでいる人にすれば、本当に迷惑なことでしょう。

何故こんな事が、あちらこちらにあふれているのでしょうか?

プロ、アマを問わず、ゴルファーはどのくらい厳しく、ボールの打ち方を研究、追求しているのでしょうか?

私が今自分の中に持っている「考え」からすると、厳しく追及している人は、きわめて少数であると思います。

自分で追求していると思っている人の大半が、「的外れ」の考え方や方法を採用して、「追求」という作業に時間を費やしているのではないでしょうか。

投擲競技との比較

ハンマー投げや、ヤリ投げなどの競技者が、自分のフォームを追求する姿勢は、ゴルフや野球の選手が追求する姿勢とは比較にならないほど、厳密にかつ深くしているように思います。

理由の一つとして、一投、一投結果が数字で表れることです。

自分の中では、非常によい投擲をしたと思っても、相手より1cmでも負けたら、そのまま負けです。

しかし、ゴルフでは、今打ったショットが数字でははっきり表れません。

280ヤード打った人は、279ヤード打った人より大きなアドバンテージを得ることは出来ません。

また、もし凄くよく飛んだトライバーショットをした後でも、次のショットを池にでも放り込んだら、よく飛んだドライバーショットも殆ど意味のないものになってしまいます。

ゴルフというゲームの中で、一つだけのショットを取り上げて、そのショットを厳密に追求する必要性は,あまりないように思います。

スポーツの動きは、非常に感覚的なもの。

ゴルフを始めて数年は全然飛ばなかったけど、打ち方を直して40ヤード飛距離を伸ばしたという人がいれば、その人はかなり的を得たアドバイスをくれる可能性がありますが、ゴルフを始めたときから、他の人よりかなりボールは飛んでいた、と言う人からは、ボールを飛ばすためのよいアドバイスを聞ける可能性は、かなり低いように思います。

子供の時に野球を始めて、気がついたら速いボールを投げるようになり、甲子園球場で活躍してプロ野球に入る、そして、プロの世界でも速球派として評価を得た選手が、本当に速いボールを投げる「仕組み」を知っているかと言えば、知らない人が大半でしょう。

ゴルフや野球で上手くなった人の多くは、一生懸命やっていて、「何となく」上手くなったという人が殆どだと思います。

私は、たまたま力学的なことや、人間が力を出す仕組みを少し勉強する機会があり、スポーツの動きを多少客観的に見れるようになりました。

ゴルフではなく、速いボールを投げるためのアドバイスも多少出来るようになったと思います。

ゴルフが上手くなった人の殆どが、人間の骨格や筋肉の仕組みを勉強して、それを土台にして練習したのではなく、とにかく上手くなりたいの一新で練習に明け暮れ、どんどん腕を上げていったと思います。

そのような人に、ボールを上手く打つための方法を聞けば、その人の中にある感覚を、言葉にして第三者に伝えるのです。

「強く打つ」のか「しなやかに打つ」のか、聞く人にとっては全然違う言葉ですが、その人にとってその時選んだ言葉が、その時の感覚に一番適しているのでしょう。

だから、「人によって言うことが全然違う」と言うことが起こるのだと思います。

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