スポーツの感動

勝敗を超えたものもある

この3月8日と、9日は非常に注目すべきテレビ番組がありましたので、大変楽しみにしていました。

1つは、内藤大助選手のボクシング世界タイトルマッチと、高橋尚子選手が走る名古屋国際女子マラソンです。

最初に、内藤選手のタイトルマッチについてです。

前回のタイトルマッチは、亀田選手が相手でしたが、亀田選手の反則行為に対して、内藤選手の爽やかな大人の対応で一躍人気者となり、テレビに登場する機会が増え、どんな風に練習してタイトルマッチに望むのかを注目していました。

試合開始前、両選手がリングに上がった時、挑戦者であるポンサクレック選手の気負いのない、穏やかな表情を見たとき、内藤選手の負けを予感しました。

ポンサクレック選手は内藤選手に負けるまで、17回もタイトルを防衛しており、落ち着いた雰囲気に底知れぬ強さを感じたからです。

試合が始まると、内藤選手はどちらかといえば変則スタイルで、相手のポンサクレック選手は無駄のない動きから、スピードのあるパンチを繰り出す正統派です。

序盤から中盤まで試合を見ていても、内藤選手の勝利は期待しずらいように見えました。

しかし、終盤の11回、12回を見ていた時、内藤選手の動きが全く衰えず、それには本当に驚きました。

この試合のために、相当ハードなトレーニングしたのでしょう。

自分を見失ってない内藤選手は「本物」でした。

高橋尚子選手は、僕の大好きなアスリートの一人です。

特に走っている時の表情が好きで、勝利に向かって走るとかではなく、僕なんかでは分からない「大きなもの」に向かって挑んでいるように感じます。

今回も、圧倒的な走りを見せて優勝してほしいと思っていましたが、スタートラインに立ったときの表情を見て「おやっ」と思いました。

今までの高橋尚子選手の顔と少し違っており、いつも以上に緊張しているのかなと思っていましたが、まさかレースの序盤で遅れるなんて信じられませんでした。

うつむき加減で走る高橋尚子選手を見たのは、初めてであったし、とても完走は出来ないのではと思っていました。

しかし、さすがに高橋尚子選手で、最後まで走りぬきましたし、見事なまでの惨敗というか、負けっぷりのよさが彼女の「スター性」を表しているような気がしました。

スポーツには、必ず「勝ち」と「負け」がつきますが、どちらも感動的な試合でした。

ご両人とも、本当にお疲れ様でした。

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