謙虚さ
今年の3番目のメジャートーナメントである全英オープンが終わり、南アフリカのウーストハイゼンという全く無名の選手が、2位に7ストロークの大差で優勝しました。
大会3日目ぐらいに初めて彼のスウィングを見たのですが、全く作ったところのない躍動感あふれる、素晴らしいスウィングをしていました。
南アフリカの選手のスウィングを頭に浮かべると、エルス、グーセン、イメルマンなど全ての選手に共通しているのは、作られたところがない「自然」な動きです。
きっと、素晴らしい指導者が、南アフリカにはいるのでしょう。
最近のゴルフトーナメントで、興味深い試合がいくつかありました。
1ヶ月ほど前に、アメリカのトーナメントでシニア入りしたコーリー・ペイビン選手が、レギュラーツアーでプレーオフに残り、最終的にはプレーオフで負けて2位だったのですが、ツアーの中で一番飛距離の出ない選手が、プレーオフまで残るという痛快なゴルフを見せてくれました。
パットをミスしても、怒りを表すようなポーズをとらないし、素晴らしいショットでピンそばにつけて、ギャラリーからの大きな拍手にも、軽く右手を上げて応えるだけです。
「自分ができることを、やり続けるしかないんだ」という心境なのでしょうか、昔以上に淡々とゴルフをしているような感じを受けました。
彼のプレー振りを見ていると、これぞプロフェッショナルと唸らされます。
7月の上旬にあった女子プロのトーナメントで、不動裕理選手が、最終ホールで長いバーディーパットを入れて優勝しました。
彼女にしては珍しく、パットが入った瞬間に、右コブシを頭の上に突き上げていました。
あとから、優勝インタビューの時、「変なことをした」と言って、少し照れていましたが、思いがけなくパットが入ってしまった、と言う部分が少しあったのかもしれません。
リプレーでみると、かなりのスライスラインでしたので、「3パットにならないように」という思いは、当然あったはずです。
写真は、日本女子プロ協会のメンバーガイドで、表紙にのる人は前年度の賞金王です。
しばらくの間、表紙はいつも不動選手でした。
この前のトーナメントで、「私なんかを、こんなに大勢の人が応援してくれている」といって、少し涙ぐんでいるように私には見えましたが、彼女の最大の魅力は『謙虚さ』でしょう。
彼女の自分の気持ちを表す言葉は、聞いていてすがすがしい気持ちになります。
今年は、是非賞金王になってもらいたいです。