ロレーナ・オチョア

彼女のプレーの魅力

突然の引退発表でした。

彼女は、順位に関係なくプレーする姿を見るだけで楽しくなる、私にとって数少ない選手の1人でしたので、これからは楽しみが随分と減ってしまいます。

しかし、本当に潔い生き方だと思います。

彼女のプレー振りで感じることは、「自然」さと「控えめ」でした。

前の女王だったアニカ・ソレンスタムは、トレーニングによって腕の太さは男性並みでしたが、オチョア選手は普通の女性プロゴルファーという感じで、またスウィングも作ったようなところは何もなく、ダウンスウィングが始まると顔を少し右に向けて、下半身のリード一気にボールを打ちぬく、切れ味抜群の動きでした。

プレー中には、人並みに喜んだり、また悔しがったりしましたが、彼女の人柄なのか少し控えめな感情の表し方だったように、私の目に映りました。

そこがテレビを見ていても、嫌な感じを受けないで、すがすがしい気持ちで彼女のプレーぶりを見ていたのです。

やはり、ミスショットをした時に、怒りの感情をあまりに大きく表すのは、見ていて気持ちの良いものではありません。

また、彼女の強さは圧倒的でした。

トーナメントに7連勝、8連勝するだけでももの凄いことなのに、2位に8ストローク、10ストロークはなして勝つことが当たり前でした。

世界のトッププロが参加する試合で、2位の選手とそれだけの差をつけるということは、言うまでもなく力の差が歴然としていることを意味します。

世界中から素晴らしい選手が集まれば、互いの力は拮抗しているはずなのに、彼女だけが別格の存在でした。

最近の報道では、昨年の年末に結婚したと報じられていましたが、私の記憶では2008年の暮れに結婚したと記憶しています。

2009年のシーズンは、過去数年と比較すればあまり芳しい成績を残せませんでした。

以前聞いた話ですが、オチョア選手は料理を作ったり家事をするのが凄く好きな女性だそうです。

2009年の成績が振るわなかったのは、そこに原因があるのではないかと思います。

スポーツでどのようなことをしたら上達するのか、長い間本を読んだりささやかな努力を続けてまいりました。

その1つに、1流選手の言動や実際のスポーツでの動きを注意深く見る、というのがあります。

テレビでゴルフや野球を見ていても、知らないうちにそこに目がいってしまいます。

2009年のオチョア選手のプレー振りを見ていても、気になることは感じられませんでした。

ですから、今の引退発表を聞くと、自分のなかで凄く納得できます。

良い成績を残している選手は、良い動き(スウィングやフォーム)をしているし、以前より成績が芳しくない選手は、悪い動きになっています。

私の大好きな女子プロである不動選手は、連続して賞金王を獲っていた時の「動き」と、今の「動き」では少し違いがあると私には感じられます。

原因と結果は、おおむね結びついているようです。

オチョア選手の日本刀のような切れ味のあるプレーが見られないのは残念ですが、よき家庭人となって幸せに暮らしていかれることを、心よりお祈りします。

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