タイガー・ウッズについて2(後編の続きの続き)

今回で、ひとまずタイガーの話題は終わりにします。

前回もお話したように、初めてタイガーのゴルフをテレビで見たときや、スウィングの連続写真を見たときに受けた、私の衝撃は相当に大きなものでした。

ボールを遠くに飛ばすための、まさに理想をタイガーが実践しているのですから。

あと2つ、私が気になっていることを説明します。

1つ目は、アイアンショットでのフィニッシュがデビュー当時より大きくなっていることです。

つまり、両腕が首に巻きつくようなフィニッシュになっていることです。

例えば、丸山茂樹選手のアイアンのフィニッシュを思い浮かべてください。

両腕が、頭の後ろや、背中の方まで動いているでしょうか?

そこまで動いてなく、顔の横の辺りで両手が止まっているはずです。

デビュー当時のタイガーは、そのようなフィニッシュをしていましたが、今はミドルアイアンぐらいを持つと、両腕が首の後ろぐらいまでくることがあります。

大きなフィニッシュをとったらいけないのかと思う方は、大勢いると思いますが、フィニッシュは結果であり、インパクトでクラブに発生している大きなエネルギーが、クラブをフォロースルーからフィニッシュのほうに運んでくれるのです。

デビュー当時のタイガーのドライバーショットを見ると、フィニッシュでの両腕は、首に巻きつくようになっていました。

ドライバーに比較するとアイアンでのインパクトのエネルギー(おおまかにスピードと考えていいです)は小さいですから、ドライバーショットほどの大きなフィニッシュにならないのが自然です。

現在のタイガーのスウィング全体を見ても、上半身特に腕に頼ったスウィングに見えます。

それに対して、丸山選手の動きは、下半身主導で、上半身は非常にリラックスして見えます。

上半身に頼ったスウィングになると、飛距離は落ち、方向性も悪くなります。

腕を意識的に振ると、その方向と反対の方へ下半身は動きますので、大きなパワーロスが生まれます。

回転いすなどに乗った状態で、バックスウィングのほうへ肩を回したり、フォロースルーのほうへ腕を振ってみてください。

自分の両膝は、反対方向へ動くのが確認できます。

もう1つは、今のことと関連していますが、動きにしなやかさが感じられません。

タイガーのテークバックを見ると、下半身を止めて、上半身でテークバックしようとしています。

この下半身を止めようとする動きが、筋肉の緊張を生み出し、筋肉を固くします。

筋肉を固くすれば、筋肉はすばやく動くことができませんので、スピードの低下につながります。

ボクサーが、シャドウボクシングをするとき、両手は拳を握らなく、手を開いた状態でパンチを打つ動作をするのは、筋肉を柔らかくするためです。

拳をしっかり握ってしまえば、筋肉は固くなり、スピードは落ち、相手にパンチが見えたら、よけられてしまいますから。

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