タイガー・ウッズについて2(後編の続き)

皆様、あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

タイガーについての話は、2回で終われませんでしたので 、本年最初の四方山話も彼に関した話題となります。

宮崎のトーナメントでは、私の予想が外れてタイガーは優勝しましたが、彼のプレーぶりを見て、非常にがっかりしました。

まず第1に、彼が使用していたドライバーです。

雑誌によれば、ヘッドの体積は460ccで、クラブの長さは45.25インチだそうです。

タイガー自身が、ツアーで戦っていて自分の飛距離不足を十分に感じているから、飛距離を伸ばすために43.5インチから45.25インチとクラブを長くして、また、クラブを長くしたら正確にスウィートスポットで打つ自信のなさから、460ccという大型ヘッドにしたのでしょう。

デビューした当時は、彼のスプーンのティーショットは、デービス・ラブのドライバーショットをオーバードライブしていましたし、普通の選手より50ヤード以上もドライバーを飛ばしていました。

今回の宮崎でのタイガーの飛距離は、ずば抜けたものとは私の目には映りませんでした。

この長尺、大型ヘッドへの変更は、成長へのステップではなく、競技者として「退化」への道を辿る危険性があると思います。

理由を次に述べます。

ゴルフの本当の実力とは

1980年代半ばから、1990年代半ばまで、メジャートーナメントの優勝者は、アメリカの選手より、アメリカ以外の選手が多かったように記憶しています。

1980年代半ばごろには、アメリカツアーの支配的な考えの1つに、「簡単なクラブでシンプルなスウィングをして、コースを単純に攻める」というのがありました。

スライスやフックをうたないで、できる限りストレートボールで攻める、というものです。

これによってアメリカの選手の技術が衰退して、ヨーロッパを中心とした選手たちが、メジャートーナメントで活躍したのだと思います。

聞くところによれば、ヨーロッパツアーは、毎週国が変わることなどにより、コースコンディションが変わるので、それに適応するために、バラエティーに富んだショットを身につける必要があるのでしょう。

それが、「ゴルフの実力」をアップさせるのです。

1996年の全米アマチュア選手権でのタイガーを見たときの衝撃は、とてつもなく大きなものでした。

300ヤードをはるかに超えるドライバーの飛距離よりも、ピンの位置によってスライスやフックを打ち分け、そして、小ぶりのフラットバックのアイアンでパンチショットを打つ姿に、もの凄い能力を感じました。

なお、そのときに使っていたドライバーは、ステンレス製の200ccほどの大きさのものでした。

プロの大工さんが釘を打つとき、小さな釘は小さめの金槌で、大きな釘は大きめの金槌で打つのと同じで、ボールの大きさが1.68インチで変わらないので、大型ヘッドの使用は、技術の低下を招く恐れがあると考えています。

次回も、もう1度タイガーです。

タイトルとURLをコピーしました