毎年出る製品について

各メーカーから、年度が変わるとカタログが新しくなり、いろいろな新製品が出てきます。

そして、宣伝文句は、消費者の心をくすぐるべく、「かつてない飛び!」など、コピーもどんどん新しいものが登場します。

売る側の戦略として、「今までの製品を陳腐化させて、新製品を売り込む」というのがあります。

ゴルフ業界に限らず、どこの業界にもあることなのですが、たとえば、軟鉄鍛造のアイアンヘッドの裏に、ひし形のようなくぼみがいっぱい施されていても、見た目には新鮮さを感じるでしょうが、ボールを打つことに関すれば、まったく影響はないと思います。

より良い機能を持ったゴルフクラブを作ることは容易ではなく、新製品とし発表しなくてはならない状況になれば、やはり、形や色を変えたほうが、当然のことながら簡単でしょう。

そうなると、クラブを開発する人間にとっては、新製品として世に送り出すことが優先され、時間がかかっても本当に良いものを作るという姿勢を、持ち続けることは難しくなるかもしれません。

情熱を感じる製品を売る

最近、日本のメーカーから発売される製品の中で、「情熱」を感じるものが、きわめて少ないと思っているのは、私だけではないでしょう。

特にこの10年以上にわたって、日本経済はあまり良い状態ではないので、とにかく売らなければ、という追い込まれた状況にあることは否定できません。

でも、それが、新製品を早く作らなければ、というあせりから、悪循環に陥っているような気がします。

成長著しい経済には、製品を陳腐化させて、どんどん新製品を投入する戦略は、効果的かもしれませんが、日本のように成熟した経済には、製品のライフサイクルを長くして、よい物を、腰をすえてじっくり売るスタイルのほうが、私はあっているのかなと感じています。

ですから、弊社の「スライダー」を、根気よく売り続けていこうと思っています。

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