店長の視点(AMATEURISM)
この本に書かれていること
写真の本は、読売巨人軍のコーチだった荒川博氏が、ホームラン王の王貞治氏を8年間にわたって指導した時に書かれた日誌を、抜粋したものです。
私はこの本を数回読みましたが、読む度に面白く感じるようになりました。
王氏が練習をサボって遊んでいることや、少し調子が良くなって浮かれてやがて調子を崩すことなど、生身の人間同士がぶつかり合って切磋琢磨していく様子が、温度を感じるように伝わってきます。
技術的なことに関して言うと、最初の数年間はダウンスイングでバットが寝てしまう、だからステップが広くなり、ボールに差し込まれる、変化球に対して対応できない、このことが何度も書かれています。
何度もと言うより、頻繁に「バットが寝る」という悪い癖が、何度でも顔を出すのです。
プロ野球選手として、毎日練習をしているにもかかわらず、悪い癖が顔を出す、このことは私にとって大きな発見でした。
スイング修正にかかる、途方もない時間
自分のことですが、去年の11月ぐらいに、ダウンスイングで左膝が割れる(目標方向に動きすぎる)ことに気づき、これがミスショットを生む原因だとわかり、修正すべく練習をしました。
今年の4月から5月の始めぐらいには、まあまあショットがよくなってきたので、多少安心していたのですが、1、2ヶ月後にはあまりショットがよくないので、何がおかしいのか探していました。
8月ぐらいにラウンド途中で左膝の割れに気がついたのですが、調子の悪い2、3ヶ月の間、左の膝のことは全く考えていませんでした。
自分の中では、完全に直っているものと思い込んでいたのです。
左膝以外の所に、調子の悪い原因を見つけようとしていたのですが、これを長く続ければ、本当に「泥沼」に入っていくのでしょう。
あっちを直したが調子が出ない、こっちを直したが調子が出ない、これをずっと続ける羽目になるのです。
ある程度練習すれば、悪い癖は直っていると思うのが人情かもしれませんが、現実は違うようです。
とんでもない長い時間を、癖の「修正」にかけないと、その癖はずっと自分の中に居座る続けるようです。
上達するのは、本当に大変な作業です。