ロウバウンスウェッジ

ソール角が与える影響

ロウバウンスウェッジとは、バウンス(ソール)角の小さなウェッジのことです。

この数年前から、トーナメントでプロが使い始めて、この何年かは少しブーム(ただし、一部のアマチュアだけかもしれません)になっています。

バウンス角が大きいウェッジとは、リーディングエッジよりも後ろの部分(トレーリングエッジ)が下がっている、すなわちアドレスした時に、より地面に近づいている形状をいいます。

ロウバウンスウェッジは、ソール角がサンドウェッジでも6度や8度のものが多いようです。

写真にある私のところで販売しているウェッジは、P/S(寄)はソール角が8度、SW(砂)は12度ですので、ロウバウンスウェッジではありません。

また、フェースの溝も角溝ではありませんので、ショットをした際にボールの表面を削り取るようなこともありません。

しかし、使っているお客様からは、よくスピンがかかると時々褒めていただきます。

バックスピンは、クラブフェースの上をボールが転がりあがることと、縦方向のギア効果で起きる現象なのですから、アプローチをした際に少しトップ気味のショットが、思いのほかボールがよく止まった経験をお持ちの方は多いと思います。

ややトップ気味のショットは、スウィートスポットより下でボールをヒットしますので、縦方向のギア効果が強く働き、低い弾道にも関わらず、ボールを止めてくれるほどのバックスピンがかかっているのです。

ここで何故ソール角を問題にするかというと、ボールを完全に打ち抜いた後、ソールが地面に接するのであれば、ソールはショットに影響を与えません。

ティーアップしたボールをクリーンに打った場合は、ソール角やソールの形状はショットに何の影響を与えないのですが、地面の上から直接打つ場合は話が大きく変わってきます。

多くのゴルファー(プロ、アマを問いません)は、ボールを打つ前にすでにソールが地面に接している場合が多いのです。

一緒にラウンドしている人のショットを注意深く見ていると、ボールの少し手前から芝生を削っていても、そのボールが上手くグリーンに乗ったとき、その人に「ナイスショットでした?」と聞くと、殆どの場合「うん、ナイスショットだった」と答えが来ます。

ソールの形状やソール角など、長い間 改良されてきたので、少しダフッたぐらいでは、ボールはグリーンに乗るし、打っている本人もナイスショットの感覚を得れるのです。

しかし、ソールが殆ど働かないケースがあります。

それは、フェアウェイバンカーからのショットです。

バンカー内のボールを打ったとき、少しでもダフればボールは全然飛びません。

多くの人は、大ききダフったと思っているのでしょうが、フェアウェイからショットした時と、さほど大きな差はないでしょう。

砂は、フェアウェイの芝や土に比べたらかなり柔らかいので、ソールが殆ど機能しなかったためボールがグリーン近くまで飛ばなかったのです。

ソール角の大きなクラブほど、ソールが地面に当たったときフェースを立てる(ロフトを少なくする)動きをしますので、ボールにより多くのバックスピンを与えます。

私が、ソール角の大きなウェッジを販売しているのはそのためです。

今年の春、高山忠洋プロが開幕戦の1週間ぐらい前に、私のショップに来て、「自分のウェッジを見てほしい」ということで、彼のウェッジを計測しました。

その時、2本のサンドウェッジを持ってきていましたが、確かソール角が6度と8度のものでした。

彼も、ロフトが同じでもソール角が違うと距離が違うと言っていました。

彼は、今年の賞金ランキングが34位で、2005年には全英オープンで20位台に入った実力を持っています。

彼ぐらいのプロでも、ソール角がショットに影響を与えるのです。

自分に最適なソール角を探すのも面白いかもしれません。

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