プロの言葉

我々アマチュアからみると、プロと名のつく人は、雲の上の存在です。

プロゴルファー、プロ野球選手は、当然ながらアマチュアとは比べものにならないプレーをします。

ところが、「出来ることと、知っていることは、全く別のこと」ということ知っておかなければなりません。

野球中継を観ていると、ピッチャーの腕の振りについて解説しているのを、時どき耳にしますが、「腕をしっかりと振らなくてはいけない」というのは間違いです。

腕だけの重さは3、4Kgぐらいで、これを思いっきり振っても大きなパワーは生まれず、速いボールを投げるためには、ステップ幅を広くして、軸足から前足に体重をすばやく動かす時に、大きなパワーが生まれます。

ジャイアンツの工藤投手のピッチングフォームを見るとわかりますが、彼がボールを放したあとの腕の振りは、決して大きくありません。

42歳であの活躍は、本当にすばらしいですね。

トーナメントプロを教えるプロが言っていたそうですが、ピッチングウェッジでショットする場合、バックスウィングが10時の大きさで何ヤード、11時の大きさで何ヤードの飛距離になる、というのもおかしな話です。

バックスウィングは、何故行うかといえば、ボールを打つ動作(フォワードスウィング)の「反動」なのです。

動きの本質を考える

では、何故人は「反動」という動作をとるのでしょうか?

筋肉には、バネの要素というものがあり、筋肉をすばやく伸ばすと、筋肉はすぐに縮もうとする性質があり、腹筋運動をする場合、上体が床についたらすぐに起き上がると比較的楽なのに、上半身が床についたとき、完全に動きを止めて、もう一度起き上がろうとすると、結構しんどいはずです。

この腹筋運動からわかるように、筋肉のバネの力は結構大きなもので、人は何らかの作業を行う時、より大きなパワーを出すために、これから使おうとする筋肉をすばやく伸ばして、筋肉の縮む力と、筋肉自体の力をあわせた大きな出力を得ようとするのです。

バックスウィングをどのくらい上げようかなんて考えていると、本来の「反動」としての動きが出来ず、正確にボールに当たらないだけではなく、パワーの低下にもつながりすます。

写真は、フォロースルーで、クラブのシャフトが、背中に対して直角の位置に振りぬかれていることを表すために撮りました。

遠心力は、背骨に対してほぼ直角の方向に働きますから、両腕の力を抜いてスウィングすれば、この位置にクラブが勝手にむかうはずです。

スウィングは、実にシンプルなものだと、私は考えております。

プロが言った言葉だからといって、鵜呑みにすると、スウィングや身体を壊すことさえあるかもしれません。

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