スポーツの本質
マニー・パッキャオとは、プロボクサーの名前で、史上初めて6階級を制覇した人物です。
彼の名前は知っていたし、リングの上で闘っている姿は数回テレビなどで見たことがありましたが、リングの外の顔は見たことがありませんでした。
少し前に、彼の素顔を見る機会があり、ものすごく優しい顔に驚かされました。
他人のためにリングに上がる
彼は、フィリピンのミンダナオ島の出身で、今もそこに住んでいるようです。
昨年彼が得たファイトマネーは6千万ドル(約60億円)と破格で、それだけものすごい注目を浴びている選手なのですが、彼はそのファイトマネーの殆どをフィリピンに持ち帰り、そのお金で学校や公民館、道路を造り、水牛を買って大勢の人が収入を得るように、貧困と闘っているのが、リングの外のマニー・パッキャオです。
彼は、フィリピンで国会議員もしているのですが、彼が幼い頃味わった貧しい生活を、他の人が経験しないよう、彼が出来ることを、彼の方法で行っている姿に、胸が打たれました。
日本でプロボクサーというと、一部の人間が試合前に派手なパフォーマンスをしたり、何回でノックアウトすると豪語して、うさん臭い印象が少なからずありますが、マニー・パッキャオは、試合前の記者会見には、静かに現れて、「試合には全力を尽くすだけだ」と穏やかに話しています。
彼は本物だから、何も飾る必要はないし、全くの自然体でいることに、ものすごい凄味を感じます。
パンチドランカー
パンチドランカーとは、ボクサーなどが、現役時代に顔面などに沢山パンチを受けて、現役を終わってからしばらくして、言動などがおかしくなったりすることを、そう呼んだりします。
パンチによる、脳へのダメージが原因とされています。
私が空手をやっているときに、練習試合で写真のようなグローブをつけて行ったのですが、相手のパンチを顔面に受けたときのことです。
凄く強いパンチとは感じなかったのですが、少しよろめいて(ダウンはしてません)、審判に「開始線に戻って」と言われ、私もすぐに返事をしたのですが、足が動かないのです。
審判に「早く」と言われたのですが、意識ははっきりしているのですが、開始線に戻れないのです。
おそらく脳の中の、足の運動を司っている部分が一時的に麻痺したのかもしれません。
脳に対する衝撃は、自覚しにくいものがあるので、怖さを感じます。
彼は、15年以上プロとしてリングに上がっていますので、この先パンチドランカーにならないことを、切に願っています。