自制する心

ゴルフ理論(考え方編)

今回は、上達するための心のあり方について、私の考えを述べます。

あまり喜びの感情を出さない方が良い、というところがありますが、我々アマチュアは楽しむためにゴルフをするのですから、上達に必要という観点の意見として読んで下さい。

ペイン・スチュワートの場合

ペイン・スチュワートとは、全米オープンに2回優勝したアメリカのトッププロで、10年ほど前に飛行機事故でこの世を去りました。

いつもニッカーポッカーを着た、本当にダンディーなプロでした。

彼が2回目のUSオープンに勝ったときの事です。

最終日の16番ホールだったと思いますが、勝利を決定づける3メートルほどのバーディーパットを決めたとき、ガッツポーズもしないで、観客の大きな声援に、帽子に軽く手をつける程度の簡単なものでした。

しかし、最終ホールで最後のパットを決めた瞬間、ものすごい大きな声(奇声といっても良いような声でした)を上げたのです。

彼は、感情を表に出すことが多かった選手だったように思います。

それで、何度もチャンスを逃してきたのでしょう。

ゴルフというゲームでは、感情を激しく表すと、スコアに悪い方で作用することがよくあるようです。

怒りを表して、その何十秒後か、または2、3分後に冷静な気持ちになることは、かなり難しいのではないでしょうか。

ミスをしたら、瞬間に怒りを出して、そしてそのあと冷静になる、という方法を採用している選手もいますが、見ている限りうまくいっている選手は少ないようです。

喜びを表すのは良くないことか?

怒りを表すのは、見ている方も気分の良いものではないし、何となくその後、崩れそうな雰囲気がありそうですが、喜びを表すのはよくないのでしょうか?

私は、スコアを崩す要因の1つと考えます。

ヤンキースのイチロー選手が、ヒットやホームランを打ったあと、グランドで嬉しそうな顔をしたのを見たことがありますか?

ナイスショットを打ったり、またはナイスパットを決めたりして、心の底から喜ぶ行動は、次のナイスショット、ナイスパットを期待させる気持ちになると、私は考えます。

「今、いいショットが打てたのだから、また打てるに違いない」、この心理は過信につながりやすいでしょう。

ジャック・ニクラウスが46歳でマスターズに勝った試合で、最終日15番ホールでイーグルパットを決めたときに、両手を挙げて喜びを表していましたが、目の奥は笑っていなかったように思います。

彼は、超一流の勝負師ですから、勝負がつくまで、気持ちをゆるめることは絶対にありません。

私は、アマチュアとしてある程度、試合に出てきましたが、やはり何度も優勝する選手は、プレー中に本当に嬉しそうな顔はしていなかったように記憶しています。

最終ホールまで、喜びを少し押さえた方が、いいスコアが出やすいかもしれません。

そして、そのあと自慢話をして下さい。

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