セベルアーノ・バレステロス

美しいスイング

スペインが生んだ偉大なゴルファーが永眠しました。

強烈な個性と、輝きを持ったとても華のあるプロゴルファーだったと思います。

彼が19歳の時に日本に来て、私が大学のゴルフ部員としてトーナメントでギャラリー整理か何かをしているとき、彼のプレーを見て私はたまげました。

あるホールでティーショットを曲げて、林の中に打ち込み、自分のボールの近くに来たとき、いきなりボールの近くて腹ばいになり、ボールのちかくに顔をおいて、腹ばいの状態で林の上の方を見ているのです。

ボールの近くで腰をかがめて林の上の方を見て、脱出口を見る選手は数多くいますが、林の中で腹ばいになって脱出口を探す選手は、生まれて初めてみたので、その光景は今でも忘れられません。

また、ボールを「ひっぱたく」姿も際だっていました。

今の選手で「ひっぱたく」といえば、やはり石川遼選手でしょうが、バレステロス選手の「ひっぱたき」は、もっともっと凄まじいものでした。

だから、ボールを曲げるときは規格外でした。

全英オープンで、駐車場までボールを曲げて、そこからグリーンに乗せてバーディーを獲るなんていう芸当は、彼ぐらいしかできないかもしれません。

彼が出ていたテレビのコマーシャルで、夕日を背にしてインパクトからフィニッシュまでゆっくりスウィングが流れていくのですが、私はそのCMを見るたびに、画面に引きつけられていたのを覚えています。

スウィングを見せるだけで、人を引きつけるCMが出来る、そんなゴルファーは滅多にいるものではありません。

スウィングの「美しさ」も傑出していました。

ご冥福をお祈りいたします。

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