店長の視点(AMATEURISM)
何故「打ちやすいクラブ」に替えるのか
写真は私が使っているクラブで、一番左のサンドウェッジは4、5年前から使っていますが、今のようなソールになったのは1930年代で、ジーン・サラゼンというプロが発明したのです。
ソールの広いサンドウェッジのおかげで、バンカーショットはやさしくなったと思います。
より打ちやすい道具になって、多くの人のスコアアップに貢献していることは間違いありません。
最近はユーティリティを多くの人が使うようになりましたが、写真の2番アイアンからユーティリティに替える理由は、「ミスしても距離のロスがそれ程多くない」というのが一番多くないでしょうか。
「打ちやすい」というよりも、「ミスしたときのダメージが少ない」ということで替えているように思いますが、ここで考えてみることは、道具を替えてもミスの出やすいスイングは変わってないと言うことです。
ヘッドスピードが落ちてくれば、ロングアイアンを打っても距離はでないでしょう。
ただ、芯に当たる割合が少なくなった(つまりミスショットが多くなった)からユーティリティに替える、これは自分のゴルフをよくする、すなわちスコアアップにつながるとは言えないと思います。
ここを少し深く考えたいと思います。
打ち方の改善を放置したままなのに、「打ちやすい」クラブに替えたので自分のゴルフがよくなると信じるのは、その気持ちは分かるのですが、現実にスコアアップにつながらないのではないでしょうか。
スイングはゆっくり変わる
アイアンが打てなくなってきて、ソールの広いアイアンやユーティリティに替える人に多く見られるのは、俗に言う「すくい打ち」になっている人が多いようです。
クラブを替えて打ちやすくなったと感じるのは、ひょっとしたらクラブを替えた当初だけかもしれません。
「すくい打ち」は変わってないのですが、ユーティリティなどに替えたことによって、その「すくい打ち」の度合いが、ゆっくりではあるがひどくなっていく傾向が多くあるようです。
ミドルアイアンを替えた人が、しばらくするとショートアイアンから、最終的にはウェッジまで打てなくなる人がいます。
その人のスイングをみると、ボールを上げようとして、空に向かってクラブを振っています。
全てのショットを、ティーアップしないと打てないだろうと思うような打ち方になっています。
クラブを替えたことによって、徐々にスイングが変わったのですが、本人は気づかないのが殆どです。
「アイアンが打てなくなって」と相談に来るお客様に、このクラブがいいですよ、と奨めることは私にとってかなり難しい場合があります。
だんだんとスイングが変わっていくことが予想できる場合、今と同じか、もう少しよい打ち方になるようなアドバイスをしてあげたいと思いますが、打ち方をよくすることは、本当に簡単ではないので、躊躇してしまうことがたびたびあります。
クラブを奨めるのは、時にはとても難しいものと感じます。