飛距離は生まれつきのもの?(前編)

店長の視点(AMATEURISM)

ずっと「飛ばし屋」でいられるか?

ゴルフや野球の世界で、「飛距離は生まれつきのもの」という言葉を、テレビの中の解説で喋る人を時々見かけます。

このように話している人は、プロとしてゴルフや野球の世界で争ってきた人達なので、説得力があるように思えます。

この人達の根拠としては、プロに入ってしばらくはたいしてホームランを打たなかったが、急にホームランを打つようになったとか、ツアーに参加しはじめたときは、飛距離は平均的だったのが、数年経った今年、急に飛距離が伸びて、飛距離部門のスタッツでは上位に行く、そのような選手を見たことがないので、飛距離は努力して伸ばすことは不可能で、神様から与えられたものなのです、と言う意見でしょう。

タイガー・ウッズのスタッツを見てみます。

彼がツアーにフル参戦したのが1997年、21歳の時で飛距離が2位、その時の1位はジョン・デーリーです。

このあと2002年まで見ると、ジョン・デーリーはずっと1位のままですが、タイガーは2位(1998)、3位(1999)、2位(2000)、4位(2001)、7位(2002)と飛距離が落ちてきました。

タイガーはジョン・デーリーより9才若いので、飛距離の低下を体力面に持って行くことは出来ません。

「飛ばし屋」に戻れるか?

ジョン・デーリーがツアーに登場したときは、テレビカメラが彼のティーショットを捉えられないときがありました。

彼のティーショットのボールの落下地点が他の人とあまりに違うからです。

彼の飛距離は群を抜いており、30代半ば過ぎまで、1番の飛距離を維持していました。

では、タイガーは何故飛距離が落ちたのかというば、簡単に言うと飛ばない打ち方に変えた、それだけのことだと思います。

「意識的に飛距離を抑えた」という人がいますが、グリーンの近くからショットしたほうが、ピンに寄りやすいはずなので、あえてグリーンの遠くからショットする意味はないのでは、と考えます。

タイガーはプロ転向直後から、ティーチングプロについてスイングを色々と研究(?)していました。

プロ転向直後は、ジョン・デーリーと並んで、飛距離では他を圧倒していましたが、だんだん飛距離が落ちてきて、はっきりとは覚えていませんが(おそらく2005年か2006年頃)、前ほど飛距離が出ていないことを聞かれたとき、タイガーは道具が簡単になって、思いっきり振り回してもボールが飛ぶようになったので、多少技術がなくても飛距離は得ることが出来る、と弁解めいたことを言っていたことを記憶しています。

そのような弁解めいたことを口にすると言うことは、やはり距離を出したいと言う気持ちの表れではないでしょうか?

デービス・ラブ3世やフレッド・カプルスは50代ですが、今でもかなりの距離を出します。

ゴルフは野球に比べると、使う道具が軽いので50代でも飛距離が出しやすいのです。

タイガーが飛距離を取り戻すか興味があるところですが、私の考えではまず無理と思います。

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