ゴルフ理論(考え方編)
パッティングフォームは変えやすい
「アイアンが当たらないから、アイアンを変えてみよう」とはあまり考えないでしょう。
ただ、パッティングになると、パターを変えたり、打ち方を変える人が多いのは何故でしょうか?
ほかのショットに比べたら、パッティングフォームは簡単に変えられます。
身体の一部(主に手および腕)しか使わないので、全身を使うショットに比べると、変更はかなり簡単です。
複数本のパターを持っている人も多くいると思いますが、パットが入らなくなると「気分転換」と称して、パターを色々変えてみます。
我々アマチュアは、パターを買わなくてはならないのですが、少し名の通ったプロなら、クラブメーカーは宣伝になるので、何本でもパターを持ってくるでしょう。
昔、トーナメントでプロにドライバーやウエッジを提供していたときに、パターを作ったのでそれもプロに提供しようと思いましたが、少し考えて思いとどまりました。
パッティングの下手なプロほどパターを欲しがるし、そういうプロはまたすぐに道具を変えるので、もったいないと思いやめました。
今思っても、正しい選択でした。
パットの名手は道具を変えない
杉原輝男プロはカマボコ型、青木功プロはサイレント・ポン(T字型)、ジャック・ニクラウスはL字型、というように同じパターを使い続けていました。
何故、名手と言われる人は道具を変えないのでしょうか?
それは「気分転換」をしないで、パットが入らない原因を、徹底的に追求したからでしょう。
道具を変えるという行動は、技術の追求の放棄になりますから、パターを変えたあとも、今までと同じように短いパットを外すでしょう。
技術上の欠点を探し出し、それを是正してよいスイングにすることは、大変な忍耐力と、技術の本質は何かという、しっかりとした認識が必要不可欠です。
だいぶ昔のことですが、一時は日本一といわれるぐらいのプロから聞いた話で、あるトーナメントでパッティングの調子が悪く、ホテルに帰ってから部屋でパッティングの練習を始め、夢中になって練習していたら、気がついたら朝になっていて、慌ててベッドに入ったと言われてました。
その時、どうしても芯に当たらないから、ずっと芯に当たるよう練習をしていたそうです。
「芯でボールを打つ」、パッティングからショットに至るまで、これにつきるでしょう。