前回に引き続き、いろいろなスウィング理論について、考察してみましょう。
皆さんの周りに、ゴルフ雑誌やビデオを見て、一生懸命ゴルフの打ち方を研究されている人がいると思いますが、私がいつも不思議に思うのは、ゴルフ理論に熱心な方の多くに見られる、自分のスコアにあまり注意を払わないということです。
1つの例をあげると、A氏はハンディキャップが10ですが、最近は1ラウンドで100近く打つことがあります。
しかしA氏は、2年前までは、調子がいいと70台のスコアを出す腕前でした。
しかしながら、自分のスコアはさておき、以前と同じように周りの人にゴルフ理論を説いています。
私が思うには、大きな病気でもしない限り、1年や、2年で体力が大きく落ちることはないでしょう。
時々70台を出していたプレーヤーが、90台後半のスコアを頻繁に出すということは、技術的に何か問題があるはずです。
ゴルフは頭で考えてするものではない
ゴルフ理論に熱心な人の中には、現実に起きている事象、すなわち、平均ストロークが大幅に増えている、ということに目を向けないで、最新のゴルフ理論に目が向くようです。
しかし、スコアが大きく増えるということは、今自分が実践している理論に問題があって、それがスコアを増やす原因となっていると考えるのが健全ではないでしょうか。
小さな子供にゴルフを教えると、殆どの子供は、右打ちの場合左手を下にしてグリップします。
パッティングでよく見かけるクロスハンドグリップです。
なぜ左手を下にして持つかといえば、クラブはボールを打つとき、体の右サイドか左サイドに向かって動くので、リードする腕である左手を伸ばした方が、コントロールしやすいと体が感じるのでしょう。
理屈ではなく、自分の体の動きやすさで、クラブを持とうとします。
うまくいっていないゴルファーには、この感覚が欠如しているように私は常々思っています。
情報が多すぎて、「感じなくては」ならないことを、「考えて」しまうゴルファーが沢山いるのではないでしょうか。
無心で気楽に打てばいい
金槌で釘を打つときや、ハンマーで杭を打つときに、金槌やハンマーの動きに意識を置かないはずです。
釘や杭だけに意識を集中しているはずです。
最近、フェースの芯にボールが当たらないと感じているのであれば、今自分は何に意識をおいているのか、考えてみてください。
ダウンスウィングで、右脇を締めようとか、左手を伸ばそうとか、グリップエンドをボールに突き刺すようにおろそうとか、クラブヘッドを通じて、ボールに自分の力を加えること以外のことを考えてスウィングしていませんか?
難しいことを考えずに、「無心」で、そして「気楽」にボールを打ってみてください。
自分が思ったよりも、ナイスショットがでるはずです。