新しい打ち方=進歩 は本当か?

 以前にも書いたことがありますが、多くのゴルファーが興味を持つものが2つあり、一つは「さらに飛距離が伸びる」という新製品のゴルフクラブと、「今プロツアーで注目されている新しい打法」でしょう。今回は、「新しい打ち方」について考えてみましょう。

 30年、40年ぐらい前だと、ゴルフについてのメディアといえば、ゴルフ雑誌が中心でしたが、いまではインターネットの中のYou Tubeをはじめとする色んな媒体で、そして情報を発信する人は「得体のしれない?」人から、世界的な競技に参加した人まで、バラエティーに富んでいます。私は、ゴルフに関連したそのような「意見」には全く興味がないので、見ることははとんどありませんが、「こんなことが書かれていましたよ」とお客様から教えてもらうことがあり、「その界隈の流行」を知ることがあります。

 1年、2年のスパンではなくて、30年、40年のスパンで「新しい打ち方」を見ていくと、センセーショナルに発表された「新打法」は、5年もしたら誰も話題にしていないのが現実ではないでしょうか。ここで考えたいのは、人間が身体を動かし、クラブという道具でボールに力を伝える「作業」は、どんどん効率的になっているのでしょうか?

 写真の中村寅吉さんは、すごいプロゴルファーでしたが、おそらく私が高校生の時、東海クラシックという試合で、三好CCの12番ホール、かなり長いロングホールなのですが、中村プロはセカンドでグリーンエッジまで飛ばしました。私は、本当に度肝を抜かれたので、そのことはよく覚えています。写真に小さく書かれていますが、1915年生まれなので、その時は60歳近くの年齢です。身長は、160cmを切っています。今振り返ると、自分が思い違いをしているようにも感じますが、それ程すごいことなのです。中村プロの打ち方は、古くて非効率なスイングだってのでしょうか?その時の中村プロの年齢や、素晴らしい飛距離を出すその打ち方を考えると、とてもそのようには思えません。

 ティーチングを職業としている人は、自分が目立つためには、今まで誰も言わなかった「打ち方」をアピールするのは当然の行動でしょう。また、その新打法を紹介するメディアは、その打ち方が正しいかどうかには、全く関心はなく、雑誌がより売れることや、テレビでいえば視聴率が上がることが唯一の関心事です。 ティーンエージャーのゴルファーを含めて、ゴルフが少しでも上達しようとほとんどの人が望んでいるはずなので、メディアに紹介されている「打ち方」が正しいものと無条件に信用しないという気持ちを持つことが、本当の上達につながると私は思います。

 これからどのようにして自分のゴルフを進歩させようと考えている人へのアドバイスとして、ゴルフ以外のスポーツや武道などで、ヤリを遠くに投げる技術、より速く走る技術、より強くパンチを打つ技術など、一見ゴルフに関係ないものに目を向けて、その技術を理解していくうちに、徐々に「動きの本質」が何であるか分かるときが来るはずです。人間が行うスポーツや作業は、すべて同じ仕組みで行うので、時間はかかると思いますが、ゴルフに対する本当の理解が得られる時が訪れると信じています。

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