温故知新8

プロの格言を考える

写真は、私のキャディバックについている「お札」で、「技」という文字が見えます。

このお札の裏には「上達祈願」とも書かれており、平成2年からずっーとキャディバッグについていますが、なかなか上達しないのがゴルフなのでしょう。

「ボールが前に飛ぶ限り、ミスショットではない」  杉原輝雄プロ

本当に意味の深い言葉であると、私は受け止めています。

杉原プロは、いまだに現役プロとして挑戦を続けており、そのプロ根性とファンを大事にする姿勢は、本当に素晴らしいものがあります。

杉原プロの言葉を、じっくりと考えてみましょう。

グリーンまで150ヤードのショットがあり、これをチョロして30ヤードしか飛ばなかったとしても、杉原プロはこれをミスショットではないと言われるのです(もちろんナイスショットではありません)。

どういうことなのでしょう?

ハンディキャップが15の人を例にして考えます。

フェアウェイの中央で、しかもボールのライもいいです。

ピンまで100ヤードのショットで、あまり難しい要素はありません。

ボールを打ったら、あまりいい当たりではなく、グリーンまで5ヤードショートしたとします。

これをミスショットと呼ぶべきでしょうか?

ここからアプローチをして、うまくボールがピンに寄ればパーが取れるかもしれません。

これが、20ヤードショートしたらどうなのか、または40ヤードショートしたらどうなのか。次のアプローチショットがうまくいけば、パーやボギーが取れるかもしれません。

さっきよりグリーンにボールが近づいているので、これをミスショットを言ってはいけないのだよ、と杉原プロはいっているのだと思います。

超一流のプロですらミスをする

10年以上前、ある試合会場の練習場で、杉原プロの練習を見ていたときでしたが、フェアウェイウッドで「200」と書かれた看板を狙っていたショットの殆ど(見ていたときに印象では、全部)が看板の幅の範囲に飛んでいました。

看板の横幅は、1メートルかもう少し広いぐらいでしょうが、200ヤード近く先の所に、その精度でボールを打ち続ける光景は、まさに「機械」がボールを打っているのと同じです。

しかし、試合になるとたとえ「機械」がボールを打ったとしても、時にはショットがぶれる、それがゴルフというゲームでしょう。

今年のお正月にゴルフ番組を見ていたときのことです。

3ホールで決着をつけて、どんどん勝ち上がる競技方式の番組でしたが、去年エージシュートを達成した青木プロのプレーを紹介します。

1ホール目で、ピンそば1mぐらいにつけてらくらくバーディーをとり、2ホール目のセカンドショットも1mちょっとにつけました。

パッティングのうまい青木プロのことですから、連続バーディーをとると思ってましたら、その短いパットをはずしました。

そして、次のミドルホールのティーショットを左に曲げて、ボールは林の中に入りました。

青木プロは、アメリカでレギュラーツアーに出ていた時、ロングホールのセカンドショットで距離を出すために、幅数メートルしかないファーストカットを狙って、ボールを運ぶ技術を持っているプレーヤーです。

そんな人でも、落胆などによる精神的な影響によってショットが曲がるのですから、我々アマチュアがトップやダフったりしても、ボールがグリーンに近づいている限り、それはミスショットとは考えないで、前向きにゴルフをやりなさい、と杉原プロは言っているのだと思います。

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